日本のゲームの世界展開をサポートするPocket Gemsのパブリッシング部門は、日本のゲーム開発者にとって魅力的なオプションだ。7月26日にJETROが主催するセミナーにも多数の開発者が押し寄せ、すぐに定員に達してしまったという。
Pocket Gemsは日本のゲームをどのように米国・欧州の市場にフィットさせようとしているのか。
「我々が日本のゲームに対して取り組む最初の仕事は、ゲームをより分かりやすく翻訳することです。的確な言語の翻訳ももちろんですが、ルールやストーリー、グラフィックスが欧米の人々にとってより自然に理解できるように調整することも、重要な要素になっていくと考えています。
また、配信に際してのプロモーションにもテクニックが必要です。日本ではゲームのテレビコマーシャルが頻繁に流されているそうですが、米国で多くの人々の目に触れるようにコマーシャルを打つには莫大なコストがかかってしまいます。それ以上に成果を上げるのがモバイル向けのアドネットワークです」(Nakao氏)。
その手法について、Khalfan氏は、独自に構築した分析の仕組みを活用するという。
「Pocket Gemsでは100以上の異なるアドネットワークを活用し、それらのデータを分析しながら、ゲームと相性のよいユーザー像を洗い出します。その上で、最適なユーザーを発見し、彼らに向けた広告を配信するのです。ゲーム立ち上げ時の広告が最も効果的でしょう。美しいバナーやテキストの文句、ゲームの種類ごとに異なる効果的な手法など、成功してきたゲーム配信のノウハウを活用しています」(Khalfan氏)
こうしたノウハウは、ライフスタイルやトレンド、好みが異なる海外市場を目指す日本の開発者にとって、非常に魅力的なオプションとなりうる。しかしKhalfan氏は、ゲームが元々持つ作品性を大切にするため、開発者と緊密なディスカッションをしながら進めていくことも大切だとしている。
ゲーム開発者は、こうしたパブリッシャーを活用し、より良い作品作りに打ち込むことができるようになる。まずは「Legend of Minerva」の欧米での動向に注目したい。
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