自動会計処理サービス「freee」が資金調達--開発者倍増など体制強化

岩本有平 (編集部)2013年07月24日 10時09分

 全自動のクラウド型会計ソフト「freee(フリー)」を開発するフリー(7月にCFOより社名変更)は7月24日、インフィニティ・ベンチャーズ LLPおよびDCMの運営するファンドを割当先とした総額2億7000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

 クラウド型会計ソフトfreeeは、あらかじめ銀行やクレジットカードのアカウント情報を登録しておけば、自動で入出金の情報を記帳し、勘定科目を付与し、仕訳までをする。記帳した情報をもとに、出納帳や仕訳帳、総勘定元帳、決算書などを出力できる。

 現在5人程度のベンチャーや零細企業を中心に、6500事業所に導入されている。導入企業の65%はIT関連だが、残りの35%はソーシャルメディアの口コミを中心に集まった物販やサービスといった非ITの企業だという。

 今回の増資により、開発体制を現在の8人から2倍程度に増員して、体制の強化を進める。今後は銀行やクレジットカードの対応を拡大するほか、さまざまなデータやツールとの連携を進める。また、APIの提供により、「たとえば、家計簿アプリに入力した情報を、そのままfreeeにも反映したり、法人向けの販売管理ソフトやCRMツールとのつなぎ込みもしていく」(フリー代表取締役の佐々木大輔氏)という。

 コラボレーション機能も強化する。「例えば企業が契約する会計事務所や税理士事務所に対してアカウントを発行し、freee上でレビューをしてもらうといったことも実現したい」(佐々木氏)。

 フリーでは、2014年3月までに3万事業所への導入を目指す。「零細企業の会計処理は全部自動化していく。対応するデバイスも増やしていく。今のユーザー増加のペースは当初の予測以上。世の中をあっと言わせ続けていれば、これからもユーザーはついてきてくれる」(佐々木氏)

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