CFOは3月19日、クラウド型会計サービス「freee」の提供を開始した。
freeeはあらかじめ銀行やクレジットカードのアカウントを登録することで、自動で入出金の情報を同期し、会計帳簿を作成できるサービス。現在銀行やクレジットカード会社15社に対応している。1カ月間のデータのみ閲覧できる無料プランのほか、青色申告に対応した決算書を出力できる個人事業主プラン(月額980円)、会社法に対応した決算書を出力できる法人プラン(月額1980円)を用意。それぞれ3ユーザーまで利用可能で、6月末までは全プラン無料となる。
登録したアカウントで記帳された入出金情報を自動でクローリング、その内容を解析することで、自動的に勘定科目を割り振って仕訳をする。その精度はサービスごとに異なるが約7~8割程度。銀行よりもクレジットカードのほうが入出金情報の詳細が記載されているため、後者の精度のほうが高いという。手動で勘定科目を修正することも可能だ。また、他の会計ソフトなどからエクスポートしたCSVファイルをインポートすることもできる。
登録した情報は、グラフィカルなレポートを出力可能。出納帳、仕訳帳、総勘定元帳のほか、プランに応じた決算書の出力にも対応する。
平成24年度総務省情報通信白書によると、中小企業におけるクラウドサービスの利用率は日本で17%、米国では54%。さらに日本で会計にクラウドサービスを利用しているのは1%だという。CFO代表取締役の佐々木大輔氏は、「(日本は)より伸びしろがある。(会計の自動化により)経営者がより創造的な活動にフォーカスできることを目指している」と語る。
freeeは複数の口座情報を集約して閲覧、解析できる「アカウントアグリゲーションサービス」の1つ。だがこういったサービスに対して、「クラウド上で金融関連のアカウントを他者に預ける」ということから抵抗を感じるユーザーはまだまだ少なくない。
佐々木氏はこれに対して、「セキュリティに関しては、通信を暗号化し、データ自体はファイヤーウォール内に保存している。またTRUSTeによる認証を得ている」と安全性を説明した上で「こういったサービスは利便性が勝てば利用される。テストユーザーも、まずはCSVファイルをアップロードしてもらうところから(アカウント情報を登録して)自動化していった」と語る。
CFOの設立は2012年7月。前職でグーグルにて日本の中小企業向けマーケティングチームの立ち上げを担当した佐々木氏が自宅で開発を開始し、同年11月よりテストサービスを開始。12月にはDCMから約5000万円を調達し、今回のサービス開始に至った。
同社では今後、freee上での請求書作成機能などを提供するほか、スマートフォン向けのアプリ開発、APIの提供などを予定。初年度1万アカウントの獲得を目指すとしている。
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