インターネットを介してテレビを大衆のもとに届けようと取り組んでいるIT企業の数が増えてきている。
The Wall Street Journalが匿名の情報筋からの話として伝えたところによると、Googleは動画の配信を、ケーブルプロバイダーや衛星サービス企業が提供しているようなサービス経由ではなく、インターネット経由で行うという「オーバーザトップ」サービスの実現に向けて、コンテンツのライセンス供与を求める提案をメディア企業に対して行ったという。
同報道によると、これによって、カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くGoogleが数年前に試み、軌道に乗らなかった取り組みが息を吹き返すことになるという。また同報道は、Googleが製品のデモを行ったとも伝えている。
しかしそのようなサービスが実現される前から、同分野では既に激しい競争が始まっている。オーバーザトップサービスは、Comcastのようなケーブルテレビ会社や、DIRECTVのような有料衛星テレビサービス会社といった、数十年前から膨大な数のコンテンツをコンシューマーに提供してきている企業と競合しなければならないだけでなく、複数の大手IT企業が、ブロードバンドを用いた代替サービスを提供するべく競っている状況がある。
スマートフォンというチャンスをつかみきれなかったIntelは、有望となる次のIT市場に参入するために、2013年中に同種のサービスを開始しようと取り組んでいる。
またAppleも、同社の「Apple TV」デバイスで扱えるインターネットテレビサービスの拡充に取り組んでいると以前から伝えられている。Apple TVは現在でも、オンデマンドのビデオサービスを提供しているものの、ライブ視聴の選択肢はほとんどなく、放映中のテレビのチャンネルを次々と切り替えるようなエクスペリエンスは期待できない。
Googleは既に、他のストリーミングメディア形態でAppleに1歩先んじた。Googleは5月に楽曲のストリーミングサービスを開始し、PandoraやSpotifyといった企業との競争に加わっている。なおAppleはその後、「iTunes Radio」で同市場に参入している。
Googleは2010年、「Google Chrome」ブラウザをスマートTV上でオーバーレイとして利用するTV向けソフトウェアプラットフォームをリリースしたが、ユーザーからの人気を獲得するには至らなかった。
しかし、オーバーザトップサービスに取り組んでいる企業がこれほど多くなっていることから判断すると、Googleやその他の企業はユーザーに受け入れられると考えているに違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」