参議院議員選挙(参院選)も投開票日まであと少し。今回は「ネット選挙」解禁を受けて、候補者たちも盛んにSNSに投稿したり、自分のサイトを更新したりしている。それを受けて、一般の人たちも自分が応援する候補者のツイートをリツイート(再投稿)したり、街頭演説のスケジュールを告知したりといった選挙に関するメッセージをネットで流すようになった。
ネット選挙解禁とは、公職選挙法(公選法)の改正によって、インターネットでも選挙運動ができるようになったことを意味する。ただ、街頭演説やビラ配りなどリアルな選挙運動に法律上の規制があるのと同じように、「ネット選挙運動」にもいろいろな制限がある。今回は、一般の有権者がついついやってしまいがちだが、法律上は「やってはいけない」ポイントを、7つの項目で紹介する。
これをしてしまうと、ズバリ、「氏名等の虚偽表示罪」(公職選挙法235条の5)になる。例えば、他人の名前でTwitterのアカウントを作ってそのアカウントで選挙運動のメッセージをツイートした場合、この罪にあたる可能性がある。
これは「なりすまし」対策の一環だ。偽の肩書きや名前で相手を信用させるのはアンフェア。そのため禁止されているということだ。ネット上の行為は、これまで虚偽表示罪の対象にはなっていなかったが、ネットでも選挙運動ができるようになったことにともない、その対象が広がっている。
常識的に考えてもダメな行為だが、公選法でも規制されていて「虚偽事項公表罪」(公職選挙法235条2項)にあたる。
たとえば、「A候補が愛人をつくって不倫している」「B候補は東大卒といっているが、実は大学に行っていない」といったウソの情報をでっちあげて、ツイッター等で流してはいけないということだ。
ウソの情報の中身によっては、刑法の「名誉毀損罪」(刑法230条1項)や「侮辱罪」(刑法231条)にあたる可能性もある。
これは選挙の場合でなくても、「不正アクセス罪」(不正アクセス禁止法3条、11条)にあたる可能性がある。選挙の場合は、不正アクセスには該当しないようなケースでも、「選挙の自由妨害罪」(公職選挙法225条2号)にあたる場合が出てくる。
なお、改ざんのためにコンピュータウイルスを利用したり、DoS攻撃(大量のアクセスでサーバに不具合を生じさせる攻撃)などを行えば、その行為自体が電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法234条の2)にあたる可能性がある。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」