ソフトバンクが健康事業に本格参入--Fitbitとの提携秘話も

藤井涼 (編集部)2013年07月16日 15時05分
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 ソフトバンクモバイルは7月16日、スマートフォン向けの健康管理サービス「SoftBank HealthCare(ソフトバンク ヘルスケア)」を、7月18日から提供すると発表した。活動量計で計測した健康データをクラウド上に蓄積して、スマートフォン上で確認したり、医師から健康状態についてアドバイスを受けたりできるサービスとなる。健康を意識している30~40代がターゲットだという。

  • 健康管理サービス「SoftBank HealthCare」

 第1弾として、米国などで販売されているリストバンド型のワイヤレス活動量計「Fitbit Flex」と連動したサービスを提供する。料金は月額525円で、これにFitbit Flexの端末代も含まれる。ただし、申し込みから2年以内にサービスや携帯電話利用を解約すると、契約解除料として7500円が発生する。まずは、iPhone(iPhone 4S/iPhone 5)向けにサービスを提供し、Android端末にも順次対応する。

リストバンドで健康測定、未来の顔も分かる?

 ユーザーはFitbit Flexを腕に着けて生活するだけで、歩数、距離、消費カロリー、睡眠時間の4つの健康データを計測できる。データはBluetooth通信によってスマートフォンに自動転送され、スマートフォンからクラウド上に同期される。体重や食事データなどFitbit Flexで計測できないデータはアプリで手入力する。

 アプリには、Fitbit Flexで計測した活動量などに基づき、5つの指標(体力・抗エイジング力・意識力・継続力・美力)で体の状態を分析してグラフで表示する「ヘルスケアバランス」機能を搭載。また、寝返りや目覚めの回数などを感知し、睡眠状況をグラフで表示する「睡眠測定」機能も提供する。なお、睡眠時間を計測する際には、Fitbit Flexに1~2秒間すばやくタップして「睡眠モード」に切り替える必要がある。

  • 歩数と距離の確認画面

  • 睡眠測定画面

  • 健康相談サービス

 さらに、健康やダイエットなどについて、看護師、栄養士、医師などの専門家に365日24時間いつでも無料で相談できるサービスも提供する。ソフトバンクのオペレーターが対応し、必要に応じて医師に取り次ぐ。同社ではこのサービスの提供にあわせて新たなパートナーと提携しており、相談できる専門家は数百人にのぼるという。

 そのほか、ヘルスケアバランスの指標とユーザーの顔写真をもとに、将来の顔を予測して表示する「タイムマシン」や、運動の目標を達成するとギフト券などが当たるくじに使用できるコインがもらえる「チャレンジ」、友人と活動記録を共有できる「フレンド」などの機能を備えるなど、遊びの要素も取り入れた。


タイムマシン機能

ヘルスケアに参入する「条件が揃った」

 ヘルスケア分野ではすでにNTTドコモがオムロンヘルスケアと合弁会社ドコモ・ヘルスケアを設立し、4月から本格的にサービスを提供している。このタイミングで同事業に参入する理由を、ソフトバンクモバイル プロダクト・サービス本部 PS推進統括部 商品戦略部 プラットフォーム戦略課 課長の舘由里子氏は「サービスを提供するための条件が揃った」と説明する。

  • ワイヤレス活動量計「Fitbit Flex」と連動する

 「センサが小型化したことと、自動でスマホとヘルスケア端末が連動できるようになったのが大きい。以前から検討はしていたが、サービスだけ先行しても手入力ではなかなか使ってもらえない。また、健康サービスは収益化するのが難しいが、Fitbitのような端末とセット販売することで使ってもらえるきっかけを作れるようになったのが今年だった」(舘氏)

 Fitbit Flexは、SoftBank HealthCareを通じて同社が国内で独占的に提供する。そのため、米国版のようにFitbitが提供する健康管理アプリなどは利用できない。また、現時点でFitbit Flexを単品で販売する予定はないという。リストバンドは標準でブラックが付属するが、近日中に着せ替え用のカラーバンド(スレート、ティール、タンジェリン、ネイビー)をSoftBank SELECTIONで販売する予定。なお、1度の充電で最長5日間使用できるという。


「SoftBank HealthCare」を手がけた舘由里子氏

 Fitbit Flexを選んだことについて舘氏は「やはりクリップ型だとなくしてしまうので当初からリストバンドにこだわった。また自動で自分の健康を管理できないと使ってもらえないので、Bluetoothで常にシンクできて、かつ長時間使えるようローエナジーである必要があった」と語り、これらの条件に最も一致したのがFitbit Flexだったと説明する。

 しかし、当初はFitbitとの契約は難航したという。Fitbitではこれまで他社のアプリにデータを提供していなかったため「一度は断られた」(舘氏)が、パートナーシップに向けて説得を続けたことで、両社の相乗効果が得られる形での提携が実現したという。また、ソフトバンク向けに端末やアプリをカスタマイズするなど「開発にもかなり苦労した」と振り返った。

 まずは、コンシューマー向けにサービスを開始し、将来的には法人企業や医療事業者との連携も視野に入れていきたいという。また、Fitbit Flexを皮切りに、さまざまな端末とスマートフォンを連携させた健康サービスを提供していきたいとしている。

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