スペインの通信事業者Telefonicaが世界初の「Firefox OS」スマートフォンの販売を開始してから1週間になるが、このたび、Deutsche Telekomがその2番手になった。
ドイツ企業のDeutsche Telekomは現地時間7月11日、MozillaのFirefox OSを搭載したAlcatelの「ONE TOUCH FIRE」を、ポーランドにて12日から850の店舗およびオンラインショップで発売すると発表した。
Deutsche Telekomの子会社であるハンガリーのMagyar TelekomとギリシャのCosmoteは、2013年秋に同携帯端末の販売を開始する予定。Deutsche Telekomは、価格の詳細について明らかにしなかった。
Firefox OSは、ウェブアプリを実行するブラウザベースのOSであり、開発者を引き付けるに当たって出だしが有利となっている。Firefox OSはウェブサイトやアプリを本来のまま扱うことができるが、マルチタッチ入力の処理や携帯電話に内蔵の加速度計からデータを収集するといった動作に対応した新しいモバイルブラウザ技術をサポートするよう、開発者が自身のソフトウェアを適合させる場合にメリットがある。
MozillaはFirefox OSを提供することで、「iOS」と「Android」による閉じられたエコシステムに分け入りたい考えだ。このようなエコシステムは、ハードウェア、OS、アプリストア、サービスが連結した世界にユーザーを束縛してしまう可能性がある。モバイルネットワーク事業者および携帯端末メーカー、そして多数の企業はFirefox OSの採用を、モバイル市場で支配力を持つ企業に対抗する手段と見なしている。
Deutsche Telekomの欧州担当および技術担当取締役を務めるClaudia Nemat氏は声明で、「Firefox OSを導入することで、われわれは既存のポートフォリオを拡充していく予定だ。新たなOSは、オープンで開発者が扱いやすく、価格が手頃だ」と述べている。
Firefox OSは目下のところ、低価格のスマートフォンに搭載されており、フィーチャーフォンから乗り換える、価格に敏感な消費者をターゲットにしているが、Mozillaはいずれ、ハイエンド市場へ拡大することを望んでいる。
Mozillaのこうした信念は、これまで複数の企業から賛同を得ているが、Firefox OSでAppleのiOSとGoogleのAndroidによる支配を切り崩すというのは、なかなか手ごわい課題となっている。
Deutsche Telekomは2012年7月に、Sprint、Telecom Italia、TelenorとともにFirefox OSプロジェクトに正式加盟している。それ以来、その他の多くのハードウェア企業や通信事業者がMozillaのパートナーに名を連ねている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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