和田氏:初年度でわかったことは、やはり「メジャーなタイトルには注目してもらえる」ということ。それでいて、地上波とは異なる切り口が求められ、深堀りしていく必要がある。いわば“メジャーニッチ”なタイトルをテーマにしていきたいと思います。
和田氏:メディアとしてのアイデンティティを高めるという意味でも、オリジナルコンテンツへのこだわりは捨てられません。そのこだわりを持ちつつ、NOTTVならではの番組を育てていきたいと考えます。
和田氏:「AKB48のあんた、誰?」の担当プロデューサーは、Twitterで5万人以上のフォロワーを抱えています。Twitter上でキャストや企画を発表するなど番組と連動させることで、無名の個人としては相当数の方に注目していただいている状況です。ただし、AKBそのもののポテンシャルを考えると、必ずしも多いとは言い切れない。むしろ、サークルどまりになってしまっているとも言えるわけです。
和田氏:疑問とまでは言いませんが、想定・期待していたよりも拡散力や速度が弱いと感じるときがあります。つまり、ネット上での話題性が必ずしも加入に結び付いてこない。これをどうとらえるか、です。たとえば「あんた、誰?」なら、もっとメジャーなメンバーに出演してもらった方がいいのか、それとも現在の路線を貫くべきか。メジャー路線に転換すれば加入増は期待できるかもしれませんが、反面、これまでの支持層が離れてしまう恐れもある。このあたりは難しい判断を迫られるところです。
和田氏:高い年齢層の方にもご覧いただける内容として用意した番組ですが、若い層を含め、ご覧いただいた方からは「おもしろい」と言ってもらえます。7月22日の放送回では、元NHKアナウンサーの堀潤さんが新たな報道を目指してメディアへの思いを語ってくれる予定ですが、こうした骨太で内容の濃い番組についても知っていただけるよう努力は続けていきたいと思います。
石川氏:ドコモ以外のキャリアについては現状「対応しなければならない」というまでの必然性がなく、我々がNOTTVの普及に努めることが第一と考えます。iPhoneやiPadについては、そもそも技術的対応が必要ですが、要素検討や技術的準備は進んでおり、やはり普及に応じて本格的な対応検討を進めてもらえるものと考えられます。
石川氏:両方を利用しているという方の意見を聞くと、ニュース番組など生放送はNOTTV、ドラマなどはdビデオを利用していると聞きます。
和田氏:放送局側で決めた編成にあわせて視聴するというスタイルは、必ずしも「見たい時に見たい番組を」というVODのスタイルに劣るものではありません。むしろ、編成で決められていた方がいい、という方もいる。好みの違いということも含め、十分すみ分けは可能かと思います。
石川氏:2年目の展開において最も重要な取り組みのひとつになりそうなのが、その「シフトタイム」です。特にドラマなどは編成時間通りだと見逃す方も多く、シフトタイムを積極的にご利用いただけるよう訴求していきたいと考えています。また、年度の後半には月刊誌や週刊誌などを蓄積型サービスとして提供することを予定しており、ますます利用の幅を広げてもらえるのではないかと期待しています。
石川氏:NOTTVは生まれたばかりの放送サービスであり、普及にも時間はかかります。NOTTVならではのコンテンツやサービスを数多く取り揃え、質の高い放送メディアとして定着していけるよう努めていく所存です。
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