テラモーターズは7月10日、スマートフォンとの連動機能を持つ新型電動バイク「A4000i」を発表した。
これまでスマートフォンが搭載できる電動バイクは、欧米メーカーのコンセプトモデルとしては存在しているものの、実売品として量産するのは世界で初めてのこととしている。
スマートフォンに専用アプリを導入すると、走行時にはバイクのバッテリ残量や走行距離などが表示。その走行情報をログとしてPCで確認することもできる。また将来的には、位置情報や走行情報の分析により、一般向けにはマップ表示による運転アシストや、利用者が関心のありそうなおすすめ情報の表示、業務用用途としては配車管理や都市計画への情報提供など、位置情報のプラットフォームを構築し、さまざまな活用を行っていきたいとしている。
バイクのバッテリは取り外し可能なリチウムイオンバッテリを搭載し、家庭用の100Vコンセントで充電可能。4時間半の充電で走行距離は約65キロメートル。バッテリの寿命も5万キロメートルとなっている。
対応しているスマートフォンはiPhone 3G、3GS、4、4S、5。全世界で限定2000台の販売とし、日本での販売価格は充電器込みで45万円を予定。日本やアジア各国に向けて2013年末より順次販売する。なおスマートフォンとの連動機能を持たない「A4000」もあわせて発表し、2014年春より展開する。こちらの価格は未定。
特に重要視しているのはアジア市場であると、代表取締役社長の徳重徹氏は説明。ガソリン価格の高騰や大気汚染の問題から電動バイクのニーズが高まっていること。また高価なバイクであっても現地ユーザーの好みとして、かっこいいバイクを乗ることがステータスと見る向きがあり、デザインにも時間をかけたという。
一時期中国製の電動バイクが、ベトナムで年間12万台を輸入されたが、アフターメンテナンスの不足やバッテリ寿命の問題からあっという間に市場から消滅したことを挙げ、高品質やアフターメンテナンスでの差別化で市場を獲得したいとしている。2015年末には10万台の販売を目標に掲げている。
また新興国ではスマートフォンが急速に普及している一方で、人々の移動手段はバイクが中心。その位置情報を収集しサービス提供が進む企業がまだあまりないことから、スマートフォンと連携した電動バイクの投入により、この分野でも先手を打ちたい考えだ。
一方の日本向けとしては、特に業務用用途に着目。高齢者の急速な増加を背景に、宅配市場が右肩上がりに成長していくと予想。一般的なガソリンバイクよりも優れた静音性や燃費の低コストさを特徴とし、また2人乗りにも対応できるほどのハイパワーであることから、業務用向けに販売していく意向を示している。
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