フランスの新聞Le Mondeは現地時間7月4日、フランス国防省の指揮下で諜報と治安を担当する対外治安総局(DGSE)が、米国家安全保障局(NSA)の「PRISM」プログラムと同様に、フランス国内および他国との間でやりとりされた電子メールやSMS、電話、ウェブ活動を違法に傍受してきたと報じた。
Le Mondeによれば、収集されているのは実際の通話内容ではなく、誰と誰とが通信していたかに関する情報のみだという。また、保存されたデータには、フランス国内を担当する秘密情報機関をはじめとする7つの諜報機関がアクセスでき、不審なやりとりにはさらに立ち入った監視方法が適用されることがあるとも報じられている。Le Mondeの報道については、すでにReutersが要約して伝えており、DGSEにコメントを求めたが回答はないと述べている。また、Le Mondeによると、フランスの国家安全保障委員会が、同紙が報じている実行中の監視は合法であり、機密保護違反がないかチェックする仏首相府に監督された政府機関がデータを唯一収集していると述べ、、記事に異議を申し立てたという。
これが事実なら、Le Mondeの報道は、フランスの安全保障当局トップであるManuel Valls内相が4日に述べたコメントの真意を少し疑わせるものになる。Valls内相は、米国大使が開いた米合衆国独立記念日のガーデンパーティーの主賓だった。英国紙The Guardianは、Valls内相が「フランスなどの諸国に対して米国が行ったとされる『諜報活動』を非難」し、米国に「公然と警告を与えた」と報じている。報道によると、Valls内相はスピーチで、「友好の名の下に、互いに正直でなければならない。直接相手に明確かつ率直に言う必要がある」と述べたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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