新たに暴露された最高機密文書は、米国家安全保障局(NSA)が通信事業者2社と「生産的」で長期的な監視における「協力関係」にあったことを評価するものとなっている。ただし、NSAに通信を傍受させた2社の名前は明かされていない。
この手がかりから興味深いことが明らかになる。
英国のThe Guardianが現地時間6月27日に掲載したこの最高機密文書の中でも、企業名は「企業A」「企業B」としか記されていない。しかし、9.11米同時多発テロを受けて監視プログラムが作成された当時、NSAがこれらの企業と協力関係を築いたのは、企業Aが国際通話の39%、企業Bが28%にアクセス可能だったからだとNSAの監察官は明かしている。
これらの数字は米連邦通信委員会(FCC)のデータとほぼ一致する。通信事業者との「協力関係」が拡大していた2001年後半に公開された当時の最新の報告によると、米国の通信事業者が課金した国際通話時間の38.2%をAT&Tが、(現在はVerizonの傘下にある)MCIが29.1%を占めていた。
Verizonで広報を担当するEd McFadden氏は、企業BがMCIであることを確認も否定もせず、米国時間6月27日には米CNETの取材に対し、いかなる政府機関からの要望であれVerizonがそれに応じる際には「常に法に基づく適切な手続きが必要だ」と述べた。AT&Tは回答しなかった。
2009年に作成されたこの報告書では、これら2社との「情報収集における協力関係」により、NSAが通信事業者の「光ファイバーケーブル、ゲートウェイスイッチ、データネットワーク」を利用して、電子メールおよび通話内容を傍受できるようになったと記されている。これはAT&Tが通信施設をNSAに利用させたという以前の報道と一致する。
今回暴露された文書はNSAの監査官事務所が作成した報告書の一部であり、NSAと米通信事業者との関係がいかに重要で注意を要するものになったかが強調されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス