Facebookは自社サーバへの直接的なアクセスを提供するために米国家安全保障局(NSA)などの政府機関と直接連携するようなことはしていない、と同社最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は米国時間6月11日に改めて主張した。
Zuckerberg氏はFacebookの年次株主総会で株主に対し、「われわれは何らかのユーザー情報を誰かに提供するために、NSAやそのほかのプログラムと直接連携するようなことはしていない。誰かが当社にアプローチして、そうしたことをするよう要請したと報じられたが、そのようなことは一度もなかった。いかなる政府機関も当社サーバへの直接的なアクセス権を有していない」と述べた。
「PRISM」と呼ばれるシステムを含む政府のスパイプログラムが論争の的となっている。Facebookが関与していることが先頃報じられたが、Zuckerberg氏の発言はこれに対処するもの。最初にThe GuardianとThe Washington Postが報じたところによると、Facebookのほか大手インターネット企業8社はNSAが捜査対象者に関する情報を収集できるように、サーバへのバックドアアクセスをNSAに提供しているという。
Facebookを含め、名前の出たテクノロジ企業各社はNSAにサーバへの「直接的なアクセス」を提供したことを否定しており、大半の企業はPRISMについて何も知らなかったと主張している。The New York Timesが後に報じたところによると、Facebookを含むそれらの企業は、外国諜報活動偵察法(Foreign Intelligence Surveillance Act:FISA)に基づく要請を処理する際により高速なデータ転送を容易にするという目的のためだけに、NSAと連携しているという。
Zuckerberg氏は11日、Facebookが共有するのは「法律遵守のために必要な最低限の情報」だけだと株主に述べ、懸念や不信感を和らげようとした。
「当社のサーバに接続して情報を入手できるような直接的アクセス権はどの政府機関も有していない。われわれは当社の全ユーザーの情報のセキュリティとプライバシーを守るために戦う」(同氏)
一部の人々はFacebookが何らかの方法でオーウェル的な監視国家の促進に手を貸しているという印象を抱いているが、安心感を与えようとするZuckerberg氏の言葉がそうした印象を変えることができるのかどうかは、現時点では不明だ。しかし、11日に発表されたPew Researchの調査報告書は、一般の人々が政府の監視について、想像以上に相反する感情を抱いている可能性を示唆する。Pewが調査した人々の過半数(56%)は、通話記録の追跡はテロリストを捜査する手段として「容認できるもの」と考えていると答えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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