米証券取引委員会(SEC)による新たな決定を受けて、アナリストらは、2012年のFacebook新規株式公開(IPO)における失態の責任がNASDAQにあるとする見方を強めているかもしれない。
SECは、世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookのIPOにおける不適切な判断とシステム設定、さらには同社株式に対する二次的な取引計画をめぐり、NASDAQに対して1000万ドルの罰金を科している。
SEC自身が明らかにしたところによると、今回の罰金は、取引所に対して科されるものとしては過去最大だという。
SECは米国時間5月29日、今回の決定の論理的根拠を述べたメモを公開した。以下はその抜粋である。
取引所には、マーケットに混乱をきたすことなくIPOを管理する上で、自身のシステム、プロセス、そして不測の事態に備えた計画が強固で十分なものであることを保証する義務がある。確定した行政手続きを定めた今回のSECの命令によると、膨大な数の投資家が参加することでFacebookのIPOが史上最大級となることが広く予測されていたにもかかわらず、IPOの売買注文に適合するよう設計されたNASDAQのシステムに限界があったことがFacebookのIPO時の混乱を引き起こしたという。その後、NASDAQが一連の不運な決断を下したことは、規則違反へとつながった。
SECの命令によると、NASDAQ幹部陣の複数のメンバーが「Code Blue」電話会議を招集し、コンピュータから数行のコードを削除することでシステムの制限が解消したものと見なし、Facebookの二次市場での取引開始を遅らせないことを決断した。しかし、NASDAQは問題の根本的な原因を把握していなかった。NASDAQが問題を十分に理解しないまま、取引の開始を決断したことは、取引注文の実行に必要な価格や時間的優先順位に適用されるNASDAQの基本原則を含み、複数の規則に違反する原因となった。この問題により、3万件を超えるFacebook株の注文が2時間以上もNASDAQシステムに滞留することになったが、これらの注文は本来、この間に迅速に実行またはキャンセルされるべきであった。
おびただしい注目を集めながらFacebookが株式公開企業になったのは、およそ1年前のことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」