ファンと作り手を結ぶアニメーション特化のクラウドファンディング「Anipipo」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 グーパは5月23日、アニメーション分野に特化したクラウドファンディングサービス「Anipipo」ベータ版の提供を開始した。

 Anipipoは、アニメーション業界を中心とした映像制作やグッズ、書籍や音楽、イベントなどのプロジェクトに対して、ネット経由で不特定多数から少額の資金の提供を呼びかけるクラウドファンディングサービスだ。資金提供者にはプロジェクト起案者から金額に応じた有形の商品や作品の権利などが提供される。調達額の15%が手数料としてAnipipoに支払われる。英語翻訳などの海外対応も同社が支援する。

 グーパ代表取締役の平皓瑛氏は、東京工芸大学のアニメーション学科を専攻。その中で、アニメーション業界全体の離職率の高さや業界全体のキャリアパスの難しさ、インターネットを使ったプロモーションに対する認知の低さなどの問題点を学び、その改善の方法を考えていたという。

 「労働時間の長さと平均年収の低さ、表現手段や制作現場の硬直化によって、人材流出が起こっている。もっと消費者とつながる方法が多様化することで、アニメーション業界全体が盛り上がれば」(平氏)

 そこで平氏が注目したのがクラウドファンディングだ。この仕組みを利用して、資金を集めることも大事だが、同氏はそれ以上に、プロモーションやマーケティングの観点に重きを置いてサービスを運用していくのだという。

 「アニメーションの世界では、数百万円程度の金額は予算としてそこまで大きくない。予算獲得を目的とするよりも、名の知れていないクリエーターが初期段階でファンとの接点を作ったり、交流の場として利用できるプラットフォームになれば。これまでのアニメーション業界の製作委員会方式以外にも、個人やプロジェクトで発信できる場になってほしい」(平氏)

 資金提供者への見返りとして、作品原画のプレゼントや結婚式などの行事に専用のアニメーションや絵を作るといった商品や権利を設定し、手元に残る「モノ」も届けることで、クリエーターとファンとのつながりを継続させる。

 アニメーションはアジアを中心に海外からの人気も強いため、Anipipoを通じて海外のファン獲得を支援していくという。また、掲載するアニメーションプロジェクトのクオリティの高さをもとに、通常のクラウドファンディングよりも高めに支払い単価を設定している。

 Anipipoのリリースと同時に公開されたプロジェクトとして、2013カンヌ国際映画祭にも出品したKENJI STUDIOの糸曽賢志氏のプロジェクトや、スペイン発の3D立体視アニメ制作ABC of Akariのプロジェクトなどが掲載されている。

 今後は多言語対応を予定するほか、タイの放送局でAnipipoに掲載されているアニメーションの作品を放映するなど、資金調達以外のコンテンツの“出口戦略”も進め、他のクラウドファンディングサービスとの差別化を図っていく。同社では3年で流通額3億円、プロジェクト支援者として1万人を目指す。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加