ブロードメディアは5月27日、Wi-Fiクラウドゲーム機「G-cluster」の製品説明会を開催。その中で、発売日を6月20日にすることを発表した。家電量販店やインターネット販売サイトでは5月30日より予約を行う。
G-clusterは小型の本体をテレビに繋ぎ、自宅のWi-Fiに接続するだけでクラウド環境でゲームを楽しむことができるというもの。サーバ側で全てのプログラム処理を行い、映像をブロードバンドを通じてストリーミング配信する。
製品の販売について、本体のみを9980円、ワイヤレスゲームパッド(コントローラー)がセットになった基本セットを1万3800円で発売する。コントローラアプリをインストールすれば手持ちのスマートフォンやタブレットでも、または市販のPC向けゲームコントローラーも利用可能となっている。なお利用には公式サイトから会員登録が必要で、登録にはクレジットカードが必要となる。Wi-Fi環境は安定した3Mbps以上の実効速度が必要だとし、高画質で遊ぶには6Mbps以上の実効速度を推奨している。
遊びたいゲームは別途、ポータル画面から購入する形になる。単品購入の場合、購入したゲームは月額料金無しで原則1年間遊ぶことが可能。価格はタイトルによって異なり、サービス開始時は525円から2940円。約30タイトルが遊び放題となる「月額500円プラン」(価格は525円)も提供する。初回購入時には月額料金が最大2カ月無料になるキャンペーンも実施予定。
提供予定の主なゲームは「ロケットナイト」、「PCエンジン・ライブラリー」(ともにコナミデジタルエンタテインメント)、「イースI & II クロニクルズ」(日本ファルコム)、「Assassin's Creed II」(Ubisoft Entertainment)をはじめとし、ファミリー向けのものからコアゲームユーザー向けのタイトルまで幅広く用意するという。またスクウェア・エニックスも参入するとしている。
また、麻雀ゲーム『四家麻雀「和」』では、テレビに向かって1人で遊ぶことが出来るほか、テレビには雀卓だけ表示させ、手牌はスマートフォンやタブレットにそれぞれ表示させて楽しむマルチプレイといった、クラウドゲームらしいプレイも可能としている。本作のマルチプレイは今夏より対応予定としている。
このほかテレビ向け動画配信サービス「T’s TV レンタルビデオ」も、G-clusterで視聴可能。6月20日の発売開始にあわせて対応できるように準備中としている。
G-clusterの製品コンセプトとしてあるのは、かつてテレビの前で据え置き型ゲーム機を中心に家族で遊んだ光景であると、ブロードメディア代表取締役社長の橋本太郎氏が説明。現在のゲームを中心に家族で遊ぶとなると、携帯型ゲーム機ないしはタブレットになるという。そこをもう一度、家のテレビの前でゲームを遊んでもらいたいという意図を説明した。
ターゲット層としてはファミリー層だけではなく、ライトユーザー層、コアユーザー層という全般的なところを狙っている。「やっぱりゲームの魅力は新作ゲーム。新作ゲームをドキドキしながら遊び始めて、徹底的にやりこむところにあると思います。多くのゲーム会社と協力して、どんどん新作ゲームを出したい」(橋本氏)
ゲームの販売スタイルも、通信業者として考えたときにはコスト面から月額課金のほうが理想としながらも、遊びたいときに飽きるぐらいまで遊びたいという、据え置き型に近いゲーム購入体験をしてほしいという意図から、単品購入は1年間という利用期間にしたとのこと。なお、セーブデータもサーバー保存になるが、1年間の利用期間が切れた後で、再購入した際のセーブデータの保持については、現在検討中としている。
なお販売台数の目標について橋本氏は「プラットフォームを目指している以上、早期に100万台を達成したいということを、社員の合言葉のようにしています」。現実的に今期(2014年3月)までには数十万ぐらいとしているが、「あとから振り返えると、今年がクラウドゲーム元年だったよねと、みなさんに言ってもらえるようにしたい」と意気込みを語った。
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