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シャープ、新スタートとなる中期経営計画を発表--次期社長高橋氏が説明

加納恵 (編集部)2013年05月14日 21時12分
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次期代表取締役社長となる高橋興三氏

 シャープは5月14日、2013~2015年度における中期経営計画と、2013年3月期(2012年4月~2013年3月)通期の連結業績について発表した。同日開催された役員人事異動会見 を受け、次期代表取締役社長となる高橋興三氏が登壇した。

  • 2012年度連結業績概要

 2013年3月期通期の売上高は2兆4558億円(前年比0.9%増)、営業損失1462億円(前年375億円の赤字)、経常損失2064億円(同654億円の赤字)、当期純損失5453億円(同3760億円の赤字)となった。通期で見ると大幅な赤字計上になったが、下期の売上高は上期比で2700億円の増収を記録した。また営業、経常利益についても2012年10月公表値予想を満たしており、下期においては営業利益226億円と黒字転換を図った。

 下期は、液晶や太陽電池が順調に推移し、増収に結びついた。また営業利益では液晶を除くすべての部門で営業利益を黒字転換を果たした。

 高橋氏は「大変厳しい環境が続いているが、中期経営計画を契機に、再生と成長に向けた新たなスタートを切る決意」として中期経営計画を発表した。重点施策として掲げたのは

  • 事業ポートフォリオの再構築
  • 液晶事業の収益性改善
  • ASEANを再重点地域とした海外事業の拡大
  • 全社コスト構造改革による固定費削減
  • 財務体質の改善
  • 既存事業ポートフォリオの再構築

の5つ。事業ポートフォリオの再構築では「勝てる分野で事業を拡大していく方向性を示したもの」とし、競争環境をグローバルレベルの事業規模が競争を左右する「グローバル・スケール市場」、顧客のタイプごとにグローバルに付加価値の追求ができる領域「グローバル・バリュー市場」、地域ごとにローカルフィットが必要になる領域「リージョナル・バリュー市場」の3つに分類。「勝てる分野と勝てる市場を見定め、経営資源を集中投下する」としている。

 一方再編が進む液晶事業については、IGZOや高精細タッチパネルなど「付加価値ゾーンの強化」と、大手重点ユーザーとの戦略的提携による「安定顧客との取引拡大による販売増」の2点を重点施策として掲げた。2012年度に6社だった取引先は、2013年度に9社まで増加する予定とのこと。これらの提携効果は亀山第2工場の操業度にあらわれており、7~9月期にはフル操業レベルにまで上がる見込みだ。

 こうした計画を背景にシャープが強く推進しているのが他社との提携だ。鴻海精密工業、クアルコム、サムスン電子の3社に加え、同日付けで電動工具メーカーマキタと業務提携で基本合意したことを発表。シャープの技術を融合したマキタ商品群の拡充と両社の商品企画、製造、販売といったグローバルなバリューチェーンを相互活用し、ビジネス拡大を目指すとしている。

  • 中期経営計画で目指すゴール

 サムスン電子との提携による技術流出面での不安について問われると「彼らは一流企業。技術流出などの懸念は全くない」と否定。液晶事業については「液晶事業が巨額の赤字なのではなく、液晶事業への巨額投資が赤字になったということ。では液晶は自前で投資しないとできない事業なのか、というとそうではなく、そこを変えていこうとしている。わたしはそれができると思う。IGZOの優位性が数年で脅かされるのではないか、といった話も出ているが、私たちはIGZOの次世代を行く技術もたくさんやっている。クアルコムと組んでいるMEMSなども含めいろんな可能性がある。IGZOの技術に追いつかれるかもしれないが、その時私達は違うところを走っている」と今後について示した。

  • 2013年間連結業績予想

 高橋氏は中期経営計画で目指すゴールとして、2015年度に連結売上高3兆円、営業利益1500億円、当期純利益800億円の達成を目指すことを発表。当期純利益の黒字化を目標に据えた2014年3月期通期の業績見通しについては、売上高2兆7000億円、営業利益800億円、経常利益400億円、当期純利益50億円とした。

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