「いかに早くデータを価値に変えるか」--IT最適化を総合支援する日本オラクル

 ガートナージャパンが、4月24日~26日に東京・港区で開催した「ITインフラストラクチャ&データセンターサミット2013」で4月25日、日本オラクル システム事業統括本部 ソリューション・プロダクト統括本部 統括本部長の元永秀史氏が「IT最適化とビジネスイノベーションを実現する次世代システム」との表題で講演。同社が考えるITの理想像、エンジニアド・システムの効果を事例を交えて紹介した。

研究・開発投資と積極的な買収・合併で総合的なITベンダーへ

日本オラクル システム事業統括本部 ソリューション・プロダクト統括本部 統括本部長の元永秀史氏日本オラクル システム事業統括本部 ソリューション・プロダクト統括本部 統括本部長の元永秀史氏

 元永氏は「オラクルは、ITの最適化とイノベーションにより、顧客の事業変革の支援をしていきたい。いま企業は、さまざまな課題を抱えているのだが、その解決にITを適用しようとしても、情報活用基盤を備えていないITは競争力が低くなる。当社としては、情報活用基盤に重点を置いている。スピードが問われる時代にあって、膨大なデータから重要なものを取り出し、いかに早くデータをビジネス価値に変えられるかが肝要となる。ここに当社の技術を活用することができると考えている」と話す。

 米オラクルは、研究・開発に多くの投資をしている。2011年度の額は45億2000万ドルで、売上高に対する比率は12.1%だ。「これは、IBMやHPよりもたいへん高い比率だ。技術を武器にビジネスをしているのだから、知的財産を非常に重視しており、オラクルの特徴的なところだ」と元永氏は強調する。

 研究・開発とともに、積極的なのは買収・合併だ。米オラクルは、この7年間余りの間に80社ほどの企業を買収し、主力のデータベース、ソフトウェアに留まらず、サーバ、ストレージ、ネットワーク機器など、オープン系システム向けの単体製品の体系を整えてきた。またソフトウェアとハードウェアの一体開発による、性能や可用性、セキュリティ、管理性の向上を追求したプラットフォーム「Engineered Systems」を前面に据えている。さらに、アプリケーションやシステムに最適化された、検証済みのシステム構成が確立されたソリューション「Optimized Solutions」を提示している。

すでに最適化されているEngineered Systemsの強み

 ITインフラを構築しようとすれば従来は一般的に、さまざまな要素をそろえ、システムインテグレータに統合作業を委ね、評価、診断、チューニング、テストなどが必要で、正式に稼働するまでには数カ月を要していた。元永氏は「すでに最適化されているEngineered Systemsであれば、稼働までの期間は大きく短縮でき、数日ですむ。オラクルはシステムを迅速に提供できる」と話す。

 Engineered Systemsの製品群は、目的別の専用アプライアンスを用意している。事例としては、まず、Motorola Solutionsが警察機構と連携した、ビデオ画像システムを利用した違法車両検知の例が挙げられた。2800台のカメラを用い、ビデオデータから、顔とナンバープレートを認識し、犯罪歴データなどとの照合なども実行して、違法車両を検出する。ここではExalogic、Exadata、Bigdata Applianceなどが活用された。

 また顧客データの活用例としては、化粧品事業、栄養補助食品事業などを手掛けるファンケルの例が示された。ネット販売などにより競争が激しくなるなか、同社は販売チャネルごとの顧客データが一元化されていなかった。そこで、チャネル横断型の顧客管理基盤を再構築し、「Oracle Business Intelligence」、「Siebel CRM」、「Oracle Exadata」が採用され、顧客情報、購買履歴などを統合化、分析できる仕組みを構築した。「分析所要時間が半減、最終的には顧客の離反防止ができた」という。

 大規模なIT最適化の例としては、トルコで携帯電話事業を展開するTurkcellが紹介された。同社は、事業拡大に伴い通話ログが膨大になり、10台のストレージラック、1台の大規模SMPサーバ、500個のデータベースを使用していた。これらをExadataに置き換えることで「250Tバイトのデータは25Tバイトに圧縮されたほか、データベースへのアクセス速度が10倍になった」という。

 元永氏は最後に「この3カ月、さまざまな顧客がビッグデータ関連のプロジェクトに着手している一方、なかなかITの最適化ができす悩んでいる企業も少なくない。オラクルはIT最適化のお手伝いをしていきたい。当社は、Engineered Systemsのような製品だけでなく、IaaS、SaaSなどクラウドのソリューションも提供している。ハイブリッドが有用といわれる時代、総合的に顧客の役に立ちたいと考えている」と述べた。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]