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原子を使った「世界最小の映画」、IBM Researchが公開

Daniel Terdiman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年05月02日 15時54分
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 注目を集めたいと思っているなら、ギネス世界記録を打ち立てるのは良いスタートと言えるだろう。

 それは(注目を集めるということだが)、Guinness World Records認定の世界最小のストップモーション映画を制作することに最近挑戦したIBM Researchの科学者グループの目標だった。

 「A Boy and His Atom」(少年と原子)というタイトルのついたアニメ映画では、原子を弾ませたり、キャッチボールをしたり、ダンスをしたりと、昔ながらに楽しく遊ぶ少年が主人公になっている。変わっているのは、この映画が原子レベルで撮影されていて、使われている130個の原子は、研究者が250枚のフレームを撮影する際に、1個ずつ、慎重に配置したものだという点だ。画像はセ氏マイナス268度の環境で作られ、1億倍に拡大されている。

 こうしたことを成功させる装置は、誰でも持っているわけではない。しかし、カリフォルニア州アルマデンにあるIBM Researchの研究責任者Andreas Heinrich氏とその同僚たちは、その装置を持っている。Heinrich氏らは原子を操作するために、IBMの走査型トンネル顕微鏡(研究者のHeinrich Rohrer氏とGerd Binnig氏は、この顕微鏡で1986年にノーベル物理学賞を受賞)を使った。銅の表面からわずか1ナノメートル(1mの10億分の1)のところに沿って、先端が非常に鋭い針で原子を動かすというものだ。

 走査型トンネル顕微鏡は、非常に本格的な科学的装置で、1ビット分の情報をわずか12個の原子に記録する方法の発見といった研究に使われている。しかしHeinrich氏は米CNETに対し、「A Boy and His Atom」の目的は非常にシンプルで、科学技術への関心と興奮を高めることだと語った。「映画を作れば、より多くの人に伝えることができる。われわれが関心を持っているのは、人々に科学への興味を持ってもらうことだ。われわれが研究する理由や、われわれがしていることを人々に伝える手段を見つける必要があるだけだ」(Heinrich氏)

 Heinrich氏は、4人の研究者が1日18時間ずつ9日間を費やして130個の原子を動かし、この映画に必要だった精密画像を作成したと述べている。最終的には、作成した250枚の画像をアニメーターに渡し、完成版にしてもらった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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