2001年にゲームセンターに登場して以来、子どもから大人まで幅広い層に愛され続けているバンダイナムコゲームスの和太鼓リズムゲーム「太鼓の達人」。Wiiやニンテンドー3DS、PSPなど家庭用ゲーム機のソフトの累計販売本数は700万本を超え、スマートフォンアプリも600万ダウンロードを突破。最近はTV番組のコーナーでも使用され、さらに人気が高まりつつあるところだ。
この太鼓の達人は極めてシンプルなゲームだ。基本的にはユーザーが2本のバチを手に取り、楽曲にあわせて太鼓の面とふちを叩くだけ。ゲームを始める前の準備までこの2つの操作のみで完結していて、ふちを叩いてジャンル・楽曲をスクロールし、面を叩けば決定となる。
家庭用ゲームやスマートフォンとなれば多少の違いはあるが、覚えるべき操作方法がほとんどない、という点においては共通している。このユーザーインターフェースのシンプルさにこそ、太鼓の達人が長きにわたって支持され続ける要因であるといえるだろう。
「当初は和太鼓がゲームセンターにあったらおもしろいという、ややネタありきの発想からスタートしました」と振り返るのは、バンダイナムコゲームス太鼓チーム・総合プロデューサーの中館賢氏。ただし、その中には「誰でも予備知識なく、初めて遊んでも練習抜きで楽しめる」というコンセプトが盛り込まれていたという。
太鼓の達人が登場する前から音楽ゲームはすでに定着しつつあり、ゲームセンターなどで人気を集めていた。それだけに、太鼓の達人も当時の音楽ゲームを遊んでいた10~20歳代の若者をメインターゲットと考えていたが、「操作端末を“太鼓”にした結果、もっとすそ野が広がってくる可能性を感じはじめた」(太鼓チーム・ビジュアルアートディレクター・笹岡武仁氏)という。
初めてプレイするゲームで、最初の壁となるのは操作を覚えること。太鼓の達人の場合、このゲームをプレイしたことがなくとも“和太鼓は面とふちを叩いて音を出す楽器”であることは、たいていの日本人が文化として知っている。つまり「どうすればいいのかが初めてみても大体わかる」(中館氏)ようにしたことで、ハードルを低くしたというわけだ。
さらに、和太鼓文化になじみがないであろう小さな子どもまでプレイしたがるというのは、開発陣にとっても意外なことだったらしい。「ゲームセンターにテスト設置したところ、小さな子どもがとにかく叩きたがっていた。太鼓はなにか本能的に叩きたくなるものなのかもしれない」(中館氏)。
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