バンダイナムコゲームスは4月25日、6~12歳の小学生向けネットサービス「TamaGoLand(たまGOランド)」を5月1日に開始すると発表した。携帯型育成ゲーム「たまごっち」の世界でパズルやゲームを楽しめる仮想空間サービスで、友達にメッセージを送るといった、将来必要とされるネットリテラシーが自然と高まる仕組みが組み込まれている。
ユーザーは、TamaGoLandで計算問題などの知育パズルやシンプルなミニゲームで遊んだり、サービス上で困っているたまごっちを手伝うミッションに挑戦したりできる。自分の選んだキャラクターはカスタマイズが可能で、マイルームでは部屋を装飾することもできる。フレンド(たまとも)登録したプレーヤー同士でメッセージを送り合うことも可能だ。
当初はPCブラウザ上でサービスを提供し、利用するにはバンダイナムコIDが必要となる。料金は基本的に無料。今後はスマートフォンやタブレットにも対応し、夏ごろには月額定額課金の導入も予定しているという。
「子どもとずっと寄り添ってきたバンナムとして、楽しみながらネットの使い方を教える使命があると感じた」――同日の記者発表会で登壇したバンダイナムコゲームス ネットサービス推進部ゼネラルマネージャの栗田穣崇氏は、新サービスについてこのように語る。
栗田氏は続けて、従来の「ネットは危険だから遠ざけよう」といった親の考え方が変わってきていると説明し、TamaGoLandは「ネットは便利なので安全に利用できるようになってほしい」というニーズに応えるサービスになっていると話す。また「親から見たら勉強だが、子供から見たら遊びといった視点でお互いに支持されるサービスになるのではないか」と意気込んだ。
同社では開発にあたり(1)オープンなコミュニケーションシステム、(2)サービスの段階的な体験、(3)投稿監視システムの3点に注力したという。
メッセージは通常クローズドだが、TamaGoLandではメッセージのやり取りはすべて公開され、誰でも閲覧できる。つまりDM機能をなくしたTwitterのようなものだ。これによって、問題のある発言をしたユーザー同士が注意しあったり、一度公開されるとあらゆる人に見られるというネットの特性をもたせている。
メッセージも当初はスタンプのみに限定されており、テキストメッセージ機能が使えるようになる前には試験を受け、合格した人だけに開放する。このように機能に段階的な制限を設けることで、子どもに1つずつ学習させていきたい狙いがある。違反したユーザーには制限がかかり、もう一度試験を受け直す必要がある。
また、投稿内容は協力会社であるイー・ガーディアンが投稿から15分以内に目視でチェックしている。これによって、メールアドレスや電話番号、住所などの個人情報が書き込まれた場合でも即時削除するなどして、安全性を保つという。子供が小さな失敗を通して成長できる場にしたいことから、そのための安全性はサービス側で担保するとしている。
栗田氏は「目標会員数は初年度30万人。初期のマーケティングとしては、2009年より展開しているアニメなどを活用し、小学校内でのクチコミに期待している」と話す。たまごっちは、元々デジタルペットというカテゴリから生まれ たキャラクターであり、ネットとの親和性は高いだろう。
なお、バンダイナムコグループは4月24日、子供向けAndroidタブレット「tap me」を7月中旬に発売すると発表している。この端末との関係性について担当者は「tap meにも対応する予定だが、PC版がFlashで作られているため、スマートデバイス用にHTML5などで作り直す可能性もある」と説明した。
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