ニュース速報フィードとしてのソーシャルメディア--ボストン爆破事件の誤報騒ぎが示した問題点 - (page 2)

Molly Wood (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年04月25日 07時30分

 なぜCNNは誤った情報を一刻も早く報じようとしているのか。Twitter上で流れた20分後にその情報をCNNが報じると、哀れなほど時代遅れだと批判されるからだ。しかし、CNNやFoxが遅れないようにと誤った情報を急いで報じても、両社は同様に悪意に満ちた笑いと無慈悲な言動にさらされるだろう。しかしその一方で、Redditの中傷的で臆測に満ちたスレッドは、初期段階では破壊的な過ちにつながるおそれがあったが、最終的に真実にたどり着いた協力的なクラウドソーシングとして祝福されることになる。

CNNの誤報はほかよりも大きな問題になる。しかし、CNNがTwitterに遅れることは許されない。八方塞がりだ。
CNNの誤報はほかよりも大きな問題になる。しかし、CNNがTwitterに遅れることは許されない。八方塞がりだ。
提供:CNET

 何とばかげたダブルスタンダードだろうか。

 ソーシャルメディア上でニュースを体験する方法を考え出すという作業は、まだ初期の段階だ。目撃者、Twitter上のレポーター、出来事の当事者からの直接的な報告が極めて貴重で新しい情報源だということには、筆者も同意する。Redditをはじめオンライン上のあらゆる場所で「この人物を見かけたか」と書かれた公式画像を配布することは、昔のようにポスターを木や屋外トイレに釘で打ち付けるよりも、計り知れないほど効果的だという意見にも賛成だ。ソーシャルメディアとインターネットはニュースの未来において極めて大きな役割を果たす。ニュースの未来の姿かもしれない。しかし現在のところ、ニュースの質を高めるのではなく、低下させている。

 そこで今後に向けて、ソーシャルメディアでのニュース速報について、いくつか基本原則を提案したいと思う。

ルール1:多くのフォロワーがおり、役に立ちたいという意思のある人は、警察のフィードやニュースのフィード、あるいは現場にいる人などの信頼できる情報源にフォロワーを誘導する。たとえば、18日夜のDanny Sullivan氏とSeth Mnookin氏およびそのほかのローカルリソースのような事例だ。

ルール2:いかなる場合でも、確証を得る前に容疑者とされる人物の名前や写真を掲載してはならない。銃撃戦や追跡、捜索、爆発の最中にパニックに陥った警察官が必死になって無線で何かを叫んでも、それは確証にはならない。

ルール3:関与したいのなら、有益な情報を掲載するか、さもなければ何も情報を発信しないことだ。もしあなたがFacebookのBinders Full of Womenページなら、爆破事件の発生後に献血する方法を31万9000人のフォロワーに通知してほしい。容疑者捜索が続いている間は外出しないようにフォロワーに伝えるべきだ。疑わしい情報をフォロワーが見つけた場合は、米連邦捜査局(FBI)の情報受付電話の番号を掲載する。ニュース通信社になろうとしなくても、役に立つことはできる。

ルール4:自分にできることが何もなく、情報も持っていないというときもある。それで構わない。報道はあなたの仕事ではない。今起きていることを注視する人が増えたからといって、インターネットが皆を巨大で騒然とした集合的全知者に変えるわけではない。情報とは、誤報に満ちたツイートを送信することと違って、やはり時間がかかるものだ。コンピュータをしまってベッドに向かおう。

警察無線受信アプリが「iTunes」でトップ10にランクインした。警察無線アプリを使うのはやめてほしい。お願いだ。
警察無線受信アプリが「iTunes」でトップ10にランクインした。警察無線アプリを使うのはやめてほしい。お願いだ。
提供:Marketingland.com

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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