Penguinは、欧州連合(EU)による独占禁止法調査を受けていた問題を解消するため、デジタル書籍に対する自社の価格戦略の変更を約束した。Appleと結んでいた電子書籍の価格協定を打ち切ることも含まれている。
Penguinは、今回の合意の一環として、現行のエージェンシー契約、すなわち、小売業者ではなく、出版社が価格を設定できるようにした契約を打ち切ることに合意し、今後5年間は「最恵国待遇」価格設定条項の適用を控える。こうした条項により、Amazonなどの小売業者は、Appleの電子書籍価格より低い価格を設定することができなかった。
Penguinが新たなエージェンシー契約を締結した場合、小売業者は2年間の期限で、値引きが出版社から小売業者に支払われる年間手数料の総額を超えないことを条件に、電子書籍の小売価格を自由に設定できるようになる。
欧州委員会(EC)は現地時間4月19日の声明で、Penguinの提案は、Simon & Schuster、News Corp.傘下のHarper Collins、Lagardere SCA傘下のHachette、独Macmillanの親会社であるVerlagsgruppe Georg von Holtzbrinckの各社と合意した内容と「実質的に同じ」であると述べた。これらの契約は、2012年12月に法的拘束力を有している。なおSimon & Schusterは、米CNETの親会社CBSの傘下でもある。
競合企業や顧客には、Penguinによる今回の提案に対して1カ月の意見聴取期間が与えられている。
Penguinは声明で、同社はECと合意に達したものの、法律に違反してはいなかったと引き続き確信していると述べた。
「Penguinは何も間違ったことはしていないという当社の立場に変わりはない。当社は引き続き、エージェンシー価格設定モデルが消費者と作家にとって最大の利益となるよう運用されていると考えている。ECによる分析の一部には同意しないが、Random Houseとの合併案に向けて整理するため、手続き上の問題として和解に応じた」
Appleと書籍出版社5社は過去2年にわたり、デジタル書籍の販売方法をめぐり、一連の調査と訴訟を受けてきた。これらの企業は、共謀して価格を人為的につり上げるとともに、Amazonをはじめとする販売業者に対して値上げを強制したとして非難されていた。
これらの企業はほとんどが和解に達しており、PenguinはEUとの和解に応じない最後の1社となっていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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