試聴に入る前に、本製品の仕様をおさらいしておこう。対応機種はBluetooth 2.1以降、対応プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSPとなっている。オーディオコーデックは一般的なSBCのほか、低圧縮で高音質を実現するAACとapt-Xを採用している点に注目。SBCでは動画再生やゲーム時の音ズレなどが生じる場合があるが、特にapt-Xではこうした遅延を大幅に解消することができる。
スピーカは35mmフルレンジ×2に、サイズ超の低音を再生するパッシブウーファも搭載。さらに内蔵アンプは3W+3Wとコンパクトながら高出力を実現。フル充電すれば連続10時間の再生が可能だ。2台のBluetooth機器を同時接続し、切り替えて通話ができるマルチポイント機能にも対応する。
いよいよ試聴に入っていく。残念ながら筆者のXperia Zではapt-Xに非対応のため、AACにてXperia Z側の音質調整やイコライザに手を加えずフラットのままで聴いてみた。
ロックから、高橋優「陽はまた昇る」。力強いサウンドでボーカルも前面に出てくるのだが、低域に寄りすぎているせいか、ばらついて感じられることも。ギターの余韻などは、楽曲イメージと合っている。
HIP HOPから、Method Man「Bring The Pain」。SEなどが控えめになり、ボーカルはしっかり立っていて思った以上に自然に聴ける。ゴリゴリのHIP HOPだと低音が効きすぎて厳しそうだが、曲によってはハマる。
エレクトロから、Calvin Harris Feat.Rihanna「We Found Love」。イントロから中盤にかけて音域が上がっていくのだが無理なく鳴る。この辺りにウーファの恩恵がありそうだ。このジャンルでは低音が抑えられるので好相性。
女性ボーカルものから、宇多田ヒカル「桜流し」。音の繊細さよりも全体の臨場感や雰囲気を出す方向に。低音が強いせいか、ボーカルの余韻や伸びはあまり感じられず、ややこもりがちな印象だった。
それ以外の点で気づいた点を挙げておきたい。音の指向性が強いため、主に正面で聴くスタイルが基本となりそうだ。また、テーブルやガラスなど置く場所の素材により、音のニュアンスがかなり変わる。個人的には木の机の上が一番良かった。
総じて、最新コーデックに対応する性能や独特な操作、小型ながらもウーファ内蔵で低音の効いたサウンドが聴けるなど見逃せない製品であることは間違いない。置く場所によっては音がこもったりもしたが、ベストポジションを見つけて聴くことができればより良い音で楽しめるはずだ。最近のBluetoothスピーカの中では特に、いい意味で異彩を放つハイコストパフォーマンスモデルと言える。
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