次期「iPhone」のスクリーン--大型化のトレンドとアップルの思惑

Dan Farber (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年04月15日 07時30分

 興奮が高まってきている。サムスンとHTCがそれぞれ「GALAXY S4」と「One」という最新の「Android」搭載スマートフォンでゲームを盛り上げた後、注目はAppleから次に発売されるスマートフォンに移りつつある。

 Appleを追跡し、同社のサプライチェーンから情報を掘り起こしているさまざまなアナリストが、新しいフラッグシップ製品となる「iPhone」の発売は2013年初夏ではないかと予想している。Topeka Capital MarketsのBrian White氏は、それ以上のことを期待している。White氏の予想では、次期iPhoneのスクリーンサイズは少なくとも2種類、場合によっては3種類になるという。

 同氏の言及で根拠となっているのは、より大型のディスプレイへの需要が高まっていることと、競合メーカーがきらびやかな大型ディスプレイを備えた新製品を着実に発売する中で、Appleは後れを取っているかもしれないという考えだ。サムスンのGALAXY S4とHTCのOneは、巨大なスクリーンを誇る最新の人気製品だが、こうした製品は今後も登場するだろう。次期iPhoneで行われるのは、プロセッサの高速化、カメラの改善、「iOS」のバージョンアップという通常のアップグレードだろう。しかし、もはやそれでは十分ではない可能性がある。

 当然ながら、Appleは沈黙を守っている。同社には、今の段階で人々にiPhone 5を買うのをやめる理由を与えたり、大々的な発表を台無しにしたりするような動機はない。iPhoneの販売は減速していると報じられているものの、7カ月前に発売されたiPhone 5は、iPhoneの2012年第4四半期の4780万台という販売台数や、2013年2月に米国スマートフォン市場で39%のシェアを獲得という状況を支えている。

 しかし、Appleはこのトレンドを無視することはできない。すでにAndroid搭載スマートフォンは、米国の市場シェアの半分以上を占めている。さらに米国外では、AndroidはAppleのiOSよりも影響力が大きい。Appleが好むかどうかとは関係なく、大型スクリーンは1つの重要な要素だ。Appleが2012年にiPhone 5で4インチディスプレイに移行したことは(iPhoneのディスプレイサイズが変わったのはそれが初めてだった)、正しい方向への1歩だった。しかし、サムスンやHTCのようなメーカーが生み出している、とめどなく続くスクリーンの大型化に歩調を合わせるつもりなら、もっと本質的な対応が必要かもしれない。

 実際の仕様がどんなものであっても、そしてAppleが新しいスマートフォンの発売をいつにするとしても、「これまで作られたあらゆるものの中で最も美しい製品」として迎えられる可能性が高い。これは、Appleのマーケティング責任者Phil Schiller氏が、米国時間2012年9月12日のiPhone 5発表の際に言った言葉だ。あるいは、Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏が同2011年10月4日の「iPhone 4S」の発表時に言ったように、「これまでで最も驚くべきiPhone」だろう。

 AppleはSteve Jobs氏亡き後も、チーフデザイナーのJony Ive氏が言うところの「並外れたレベルの感触と仕上がり」で満たされた製品を、材料コストの削減とiPhoneの小型軽量化を異常なほど重視するAppleのエンジニアが開発するという規律を維持している。

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