NTTドコモは3月22日、同社のR&Dセンターでスマートライフの実現に向けた研究開発の取り組みを紹介する説明会を開催。次世代の通信規格「LTE-Advanced」の実用化に向けた実験や、太陽光発電での運用が可能な「グリーン基地局」を公開したほか、新サービス「タップでコンシェル」も発表した。
まずドコモ 常務取締役執行役員 研究開発センター所長の尾上誠氏が、ドコモの研究開発について説明した。同社ではモバイルを核とした総合サービス企業を目指す“中期ビジョン”を掲げている。尾上氏は、中期ビジョンの実現のためにはモバイルネットワークの進化だけでなく、サービスの進化やシリコンバレーの拠点であるDOCOMO Innovationsを活かしたオープンイノベーションの推進、そしてグリーン基地局をはじめとした環境配慮への取り組みなどが必要だと語る。
また、それらの取り組みを実現する上で、スピード感やコストの効率化が必要不可欠となっており、そのためにはプロセスのイノベーションが必要と説明。一例として、端末のアプリとサーバの開発を1チームにし、アジャイル開発を取り入れながら最後まで開発に取り組む“一気通貫”の姿勢が示され、そうした取り組みによって「タップでコンシェル」などのサービスが生まれていると語った。
続いて、タップでコンシェルのサービス開発を手掛ける、ドコモ 先端技術研究所 コミュニケーションメディア研究グループの飯塚真也氏が同サービスを説明した。タップでコンシェルは、スマートフォンの操作をアシストするサービスで、画面の下部のみに表示することで、片手でも操作しやすいUIを採用している。
タップでコンシェルの特徴は、データをもとにユーザーの行動を予測するアシストの仕組みだ。ドコモが提供する「しゃべってコンシェル」の利用統計や、dメニューの各種コンテンツの情報、タップでコンシェルの利用履歴などを活用し、状況に応じて必要と思われる機能を予測するという。膨大なデータの集合体を可視化し、そこから価値を見出す技術開発を進めているとのことだ。
次にドコモ 先端技術研究所 環境研究グループ主任研究員の竹野和彦氏によって、4月からフィールド試験を開始するグリーン基地局についての説明がなされた。グリーン基地局は、太陽光発電と蓄電池によって電力を制御することで、商用電源の供給を受けることなく運用できる基地局のこと。グリーン基地局の導入により、電力途絶時も単独で基地局を運用できるなど、災害対策につながるだけでなく、CO2削減など環境対策にもなるとしている。
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