Appleは米国時間3月21日、「Apple ID」システムにさらなるセキュリティ階層を加えた。これによって、ユーザーがAppleのさまざまなサービスにログインする際のパスワードが強化される可能性がある。
Apple IDを持つユーザーは、パスワードに2段階認証を適用するように登録することができる。2段階認証とは、通常のパスワードに加えて使用することのできる4桁のパスコードを、テキストメッセージでユーザーの携帯端末に送信するシステムである。実際にこれによって、その携帯端末にアクセスできる人物でない限り、アカウントに攻撃を加えられないようにすることができる。
Appleの広報担当者は米CNETに対し、「Appleは顧客のプライバシーを非常に重要視しており、2段階認証は、当社のユーザーのデータが保護されることを保証するさらに堅牢なプロセスである」と述べた。「われわれは現在、ユーザーに対し、この追加のセキュリティ階層を活用する選択肢を提供している」(Apple広報担当者)
同機能は現在、米国、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドでのみ利用可能となっている。
今回の動きの1年足らず前には、Appleがユーザーらに、Apple IDアカウントに対するセキュリティ質問を設定するように求めた。これは一般的なセキュリティ対策だが、Appleには明らかに欠けていたものである。2段階認証を有効化すれば、セキュリティ質問を覚えておく必要はなくなる。
2012年にジャーナリストであるMat Honan氏が一連のアカウントハッキングの被害に遭った事件によって、この追加のセキュリティ階層の必要性が取り沙汰されるようになった。その事件では、Honan氏の「iCloud」アカウントがハッキングされたことが、同氏の個人的な電子メールやTwitterアカウントへの不正アクセスにつながった。
より最近では、Apple自体が、Javaを利用して企業システムと従業員のコンピュータへのアクセスを試みる組織的な攻撃のターゲットとなった。同社は2013年2月の声明で、データが流出した形跡はないと述べた。Apple以外にも数社の企業が一連の攻撃のターゲットとなり、FacebookやThe New York Times、The Wall Street Journal、The Washington Postも標的にされた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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