ブシロードは、同社が展開しているトレーディングカードゲーム(TCG)のひとつ「ヴァイスシュヴァルツ」にて、セガの「初音ミク -Project DIVA- f」を展開する。“ミクの日”にちなみ3月9日より、50枚1組のデッキが構築されているトライアルデッキを発売。価格は1300円。多様なカードを収録しているブースターパックを3月30日に発売する。価格は1パックにカード8枚入りで330円。
ヴァイスシュヴァルツはブシロードが設立初期より販売を開始し、その後の躍進の足がかりとなったTCG。50枚1組のデッキを構築し、ターン制で進行する1対1のカードゲームで、特徴となるのはオリジナルの世界観を設定せず、ひとつのゲームシステム(ルール)上で、アニメやゲームキャラクターがクロスオーバー的に作品の枠を超えて遊ぶことができる点。参戦作品は「魔法少女リリカルなのは」、「FAIRY TAIL」、「涼宮ハルヒの憂鬱」、「魔法少女まどか☆マギカ」、「アイドルマスター」、「ソードアート・オンライン」をはじめとし、青少年向けに人気の作品がラインナップされ、累計出荷枚数は2億枚を突破している。
こういった版権タイトルを扱って展開することは、ユーザーに強い期待感を持たせるだけでなく、新規ユーザー開拓のメリットも大きいようだ。プロデューサーを務めるブシロードの田中文啓氏は「版権作品のファンの方で、ヴァイスシュヴァルツ、ひいてはTCGを全く知らない方にも、触れてもらえるきっかけをその都度作ることができるのが大きいと思います。また違う作品のファン同士でも、TCGを通じて楽しむことができる点も魅力になっています」という。
また今日まで人気を維持し展開が続けられている理由として、版権の力だけではなくゲームシステムも挙げた。ダメージを受けるとレベルが上がり、より強力なカードが場に出せるようにして競り合える状況を作り出している点のほか、ダメージを受けたときに山札からカードをめくるのだが、クライマックスと呼ばれるカードがめくられるとダメージが無効になる。大ダメージであればあるほどめくる枚数も増え、無効になる確率も高まる。
「強化したデッキの熟練者の方と、トライアルデッキの初心者の方が対戦しても、10回に1回は初心者の人も勝てる可能性がありますし、一方的に大差がついて負けてしまうということはまずないんです。ロジカルな部分をあえて減らし“最後の一枚をめくるまで勝負がわからない”とすることによって、初心者の方でもある程度まで勝てるかもしれないという感覚を維持できますし、勝敗の危機感を終盤まで維持できることが楽しさに繋がると考えています」。
ヴァイスシュヴァルツでは、キャラクターや作品の名場面を再現するような形でカード能力などが設定されている。「初音ミク -Project DIVA- f」では本来ストーリーがないものの、収録楽曲の世界観を生かし、多様なモジュール(衣装)を着た初音ミクなどを収録している。トライアルデッキには「ブラック★ロックシューター」、「ODDS&ENDS」といった人気楽曲、フォニュエールスタイルなどのモジュールをまとった初音ミクに加え、鏡音リン・レンのカードも収録。ブースターパックには巡音ルカやMEIKO、KAITOといったキャラクターのカードも収録される。
「トライアルデッキはこれまで以上に、初めてTCGに触れるという方向けにシンプルなカード能力で構成されています。またブースターパック発売までのお楽しみとなりますが、楽曲とモジュールのカードによる効果で世界観を再現できるような能力を入れつつ、デッキとしてうまく機能するように調整しています。担当ディレクターがもともとこのゲームや初音ミクも好きなこともあって、このあたりはかなり気を遣っていました」
今回、「初音ミク -Project DIVA- f」を扱うにあたり、田中氏は「初音ミクが嫌いという人はいない」というほどのキャラクターとしての魅力と、国内外と幅広い年齢層での高い認知度に期待を寄せている。
「これまでの作品でもより多くの方に触れてほしいと思って展開していますが、今回は特にそう感じています。最初はカードを並べて『ミクさんかわいいなぁ』と感じていただくだけでもいいかと思います。そこからTCGにも興味を持ってプレイする方が少しでも増えてくれたらと。ミクさんにはTCGそのものの存在を広めてもらうことと、その魅力に導いてくれることを期待してます」
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