「GALAXY S III」に関してしばしば出てくる不満は、その感触が「プラスチックっぽい」というものだ。
競合他社がスマートフォンのボディにガラスやアルミニウム、あるいはポリカーボネートのような高品質プラスチックを採用しているなか、サムスンは薄く柔らかいプラスチックを使い続けてきている。
「GALAXY S IV」がこれまでのデザイン哲学から大きく外れていかない理由がここにある。
米CNETは、サムスンのモバイル事業担当エグゼクティブバイスプレジデントであるY.H. Lee氏にインタビューを行い、デザインに対する同社の考えについて話を聞いた。Lee氏によると、サムスンは素材を検討する際、機器の美しさという観点のみで評価することはないという。また同社は、膨大な数を出荷しなければならない点を考慮し、製品をいかに迅速かつ効率的に製造できるかについても評価の対象にするという。
Lee氏によると、サムスンは大量の製品を出荷するため、スマートフォンの製造可能性や耐久性を考慮する必要があるという。
同社はまた、バッテリ交換を可能にするために、引き続き背面カバーを取り外せるようにしておくことのメリットとデメリットという、他社も取り組んでいる問題についても検討したという。LGのある幹部が米CNETに語ったところによると、同社の「Optimus G」の背面カバーが取り外せないことについて、顧客から不満が寄せられたという。より大きな「Optimus G Pro」では背面カバーが取り外し可能となっている。
サムスンは、プラスチック製の背面カバーは軽く感じられるうえ、柔らかく、物理的な衝撃に強いため、他のスマートフォンの背面カバーよりも耐久性に優れていると主張している。CNETの編集者Jessica DolcourtはGALAXY S IIIのレビューで、「これまでに手にしたプラスチックボディの携帯電話のなかでは最高のものだ」と記している。
他社がスマートフォンのデザインに一段と磨きをかけるなか、サムスンはあえてプラスチックボディのGALAXY S IVを市場に投入しようとしている。薄いメタルフレームを採用しているAppleの「iPhone 5」が、外観でも感触でも高級な製品であることに間違いはない。同様に、オールアルミニウムボディの「HTC One」は、平凡な製品の多い「Android」スマートフォン市場において際立つ存在となっている。
一方、Nokiaはポリカーボネートと呼ばれる強度に優れたプラスチックを採用しており、「Lumia」シリーズでより鮮やかなカラーの製品を提供するようになっている。
Lee氏は、サムスンが実用面からの要求と、より高級感のある製品への要望に対し、バランス良く対応しようと努力してきたと述べている。
同氏は、「次期製品には両者の間に良いバランスがある。マーケットの声を聞き対応する」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」