上から下にスワイプすると、通知と設定が表示される。ここでは、電子メールやそれ以外のメッセージなど、メッセージの一覧を見ることができて便利だ。これの優れたところは、この通知画面から直接返信できるので、アプリを開く必要がないことだ。メッセージをタップするだけでテキストボックスが現れるので、素早く返信メッセージを入力できる。
下から上にスワイプすると、HUD(ヘッドアップディスプレイ)と呼ばれるメニューが現れる。これはアプリによって異なっている。例えば、フォトギャラリーアプリでは、写真のクロップやレタッチが可能であり、同時にカラーバランスや彩度などの数々のオプションを調整することができる。
AndroidやiOSといった、ほかのスマートフォン向けOSと同じように、自分のスマートフォンをカスタマイズするために多くのアプリやゲームをダウンロードできる。新しいスマートフォン向けOSを受け入れるかどうかを判断する際に最も重要な要素の1つが、利用できるアプリの数、そしてもっと重要なのがその品質だ。あらゆる新しいプラットフォームと同様に、Ubuntuは定評のあるAndroid向けの「Google Play」やAppleの「App Store」などに遅れを取っている。
しかしUbuntu Touchは、ネイティブアプリと同時に、オープンでますます人気になっている標準HTML5をサポートしている。オンラインで動くウェブアプリは、Ubuntu上でも動くはずだ。そのため、正式なアプリストアがまだないとはいいながらも、Ubuntuは既に、FacebookやTwitter、Evernoteといった人気アプリを含むHTML5アプリを利用できるようになっている。
スマートフォンアプリはタブレット上でも動く。スマートフォンアプリが画面の真ん中にわびしく置き去りにされたように表示される「iPad」とは異なり、Ubuntuのスマートフォンアプリは、タブレット画面の右側に表示され、画面の残りの3分の2は、別のタブレットアプリのために残されている。両方のアプリは同時に、独立して作動する。またスマートフォンアプリを使い終わったら、それを画面の外に向けてスワイプするだけでいい。
このソフトウェアは、一般公開はずっと先であるのに、非常に反応が良く、高速に思えた。同じようにMobile World Congressで紹介された、Firefox OSやTizenが情けないほど未完成だったのとは異なり、Ubuntu Touchは実際の製品で利用する準備ができているように見えた。Ubuntu Touchのデモを行ったNexusデバイスが高速だった一方で、TizenやFirefox OSには、性能の劣る安価なデバイスが与えられていたことは注目する価値がある。Ubuntuがどのような形のハードウェアに搭載されて店頭に並ぶかは、現段階では不明だ。
しかし、第一印象としては、筆者はUbuntu Touchに非常に魅了された。それはエレガントで、よく考えられており、多用途だが、一方では見事なシンプルさを保っている。Androidの模倣品である、扱いにくいFirefox OSやTizenと比べれば、Ubuntu Touchが、AndroidやiOS、「Windows Phone」にとって、最強の潜在的なライバルであることは間違いない。実際のところ、筆者は、かなり前に勢いを失ったiOSよりも、そしてもしかしたらAndroidよりも、Ubuntu Touchの方が好きだ。メーカーや携帯電話会社がUbuntu Touchを支持してくれることを祈っている。Ubuntu Touch搭載のスマートフォンなら、喜んでお金を払って購入したいからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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