NTTドコモは2月27日、屋外移動通信環境下の伝送実験で上り最大約10Gbpsのパケット信号伝送に成功したことを発表した。世界初の成果になるという。
今回の伝送実験では、ひっ迫する周波数の状況と急増するトラフィックに対応するため、これまで移動通信システムでの利用が難しいとされてきた5GHz帯以上の高い周波数帯を用いて、10Gbpsを超える高い伝送速度を実現することを目指したという。
具体的には2012年12月11日、沖縄県石垣市浜崎町地区でNTTドコモと東京工業大学が共同で伝送実験を実施。平均時速約9kmで移動する移動局装置を利用して、11GHz帯で400MHzの帯域幅で、複数のアンテナから異なる信号を同時に同じ周波数を用いて送信する技術「MIMO空間多重技術」で信号を送信。基地局装置で受信した信号の復号処理を行った結果、最大約10Gbpsのパケット信号伝送に成功したことが確認できたという。ドコモでは、これまで2005年12月14日の屋外実験では下り最大約2.5Gbps、2006年12月14日の屋外実験では下り最大約5Gbpsのパケット信号伝送を達成している。
同社によれば、今回の実験の仕組みを下りパケット信号伝送に適用すれば、Xiで提供している受信時最大100Mbpsの約100倍となる、下り最大約10Gbpsの高速通信が可能になるとしている。
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