ソフトバンクモバイルは2月21日、スティックタイプの端末をテレビに挿すことで、さまざまな映像配信サービスを利用できるようになる「SoftBank SmartTV(ソフトバンク スマートテレビ)」を、同社のスマートフォンユーザー向けに提供開始した。ソフトバンク携帯電話取扱店または専用サイトから申し込める。
SoftBank SmartTVは、専用のスティック端末をテレビのHDMI端子に挿し、Wi-Fiに接続することで、「TSUTAYA TV」「UULA(ウーラ)」「GyaO!(ギャオ)」「BBTV NEXT」(3月中旬以降)の、4つの映像配信サービスの作品をテレビで視聴できるようになるサービス。リモコンアプリをインストールしたスマートフォンやタブレットで操作する。テレビ画面を見ながら操作できるよう、スマートフォンアプリのユーザーインターフェースはシンプルさにこだわったという。
端末価格は無料で、月額料金は490円。ただし、それぞれのサービスを利用するには別途料金がかかる。新作映画など4万本以上の作品をレンタル視聴できる「TSUTAYA TV」は単品レンタルが1本100円からで、4500本の中から毎月20本レンタル視聴できる月額980円のプランも提供する。ソフトバンクでは、5月31日までにSoftBank SmartTVに申し込むと、TSUTAYA TVでレンタルしたコンテンツ利用料金を毎月最大490円、加入月から1年間値引くキャンペーンを実施する。
また、音楽映像を中心とした約6万のコンテンツが見放題の「UULA」は月額490円。映画や海外ドラマなど幅広い専門チャンネルをそろえる「BBTV NEXT」はチャンネルごとに料金が異なる。たとえば18チャンネルがセットになった「ベーシックチャンネルパックミニ」は月額980円だ。お笑いやスポーツなど約2000本の映像を配信する「GyaO!(ギャオ)」は無料で視聴できる。
ソフトバンクモバイル プロダクト・マーケティング本部 サービスコンテンツアライアンス統括部 コンテンツ推進室 コンテンツ推進企画課 課長の山田恵祐氏によれば、SoftBank SmartTVのターゲットは「普段は店舗で映画を借りているけれど、実はネットでも視聴したいと考えているライトユーザー層」だ。
そのため今後は、たとえばツタヤ店舗での新作タイトルのレンタル開始と同時にTSUTAYA TVでもレンタルを開始したり、「SoftBank SmartTVでの先行配信などもできるようにする」(山田氏)ことで、ネット視聴ならではの価値を訴求していきたいとしている。
コンテンツを提供するTSUTAYA.com 事業部 TSUTAYA TV ユニット 営業チーム リーダーの須藤和之氏は、テレビのユーザーインターフェース(UI)やセットトップボックスのリモコンについて触れ、現状は操作性が良いとは言えず目的のコンテンツにたどり着くまでに時間がかかっていると指摘。日ごろから慣れ親しんだスマートフォンをリモコンにすることで「映像配信事業者にとって一番の悩みであるUIや操作性の問題をクリアできる」と語る。
また、テレビでTSUTAYA TVを利用するにはLANケーブルを接続する必要があるため、一部のユーザーにとっては敷居が高かったと説明。Wi-Fi環境さえあれば気軽に利用できるSoftBank SmartTVによって、新規ユーザーの獲得も期待できるとした。
なお、KDDIもテレビ画面で動画や音楽コンテンツを楽しめるスティックタイプの小型セットトップボックス(STB)「Smart TV Stick」と、自宅で録画したテレビ番組を外出中にスマートフォンなどで視聴できるSTB「Remote TV」を2月23日に発売すると発表している。今後は、通信キャリア各社によるスマートテレビサービスの展開が本格化しそうだ。
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