NVIDIAに、スマートフォン分野での勢力を拡大する大きなチャンスが到来した。
NVIDIAは米国時間2月19日、同じシリコン上にアプリケーションプロセッサと4G LTEを統合した新しいモバイルチップ「Tegra 4i」を発表した。「Project Grey」のコード名で呼ばれていたこのプロセッサは、同社製GPUコアが60個集積され、ARM Holdingsの「R4 Cortex-A9」アーキテクチャをベースとした2.3GHzクアッドコアCPUに、第5の省電力型CPUコアを組み合わせ、同社製「i500 」LTEモデムのの統合最適化バージョンも集積されている。
NVIDIAは、Tegra 4iでスマートフォンのメーカー各社にアピールし、主要市場に対応できることを期待している。カリフォルニア州サンタクララに拠点をおく同社は、多種多様なタブレットにプロセッサを供給してきたが、統合チップを提供しなかったことが主な原因で携帯電話市場への拡大に苦戦してきた。
NVIDIAのモバイル事業部門シニアバイスプレジデントのPhil Carmack氏は、米CNETに次のように語った。「NVIDIAにとってこれは大きな前進だ。当社が統合ソリューションを提供するのは初めてのことで、われわれにとっての市場の利用可能性を劇的に変えるものだ」
NVIDIAはこれまで、コンピュータやゲーム機に搭載されるGPUのメーカーとして知られてきたが、中核のPC市場における弱点を補う助けになるよう、Tegraモバイルチップに期待してきた。だが、これまでのところ期待に十分応えていたわけではなかった。スマートフォン市場での存在感はごく小さく、Tegraの販売先の大部分はGoogleの「Nexus 7」やMicrosoft「Surface」など数種のタブレットが占めている。これに加え、NVIDIAは現在、タブレット市場における競争の激化に直面している。
Tegra 4iの発表は、NVIDIAが統合型ではない最新のモバイルプロセッサ「Tegra 4」を発表してからまだ数週間しか経っていない。Tegra 4iは、GPUコアを72個集積するTegra4ほどハイスペックではないが、省電力と端末内での省スペースを重点に開発された。
統合チップは通常、機能ごとのプロセッサを別々に仕入れるよりも安上がりで、そうした製品を供給することにより、チップメーカーは端末市場でローエンドからハイエンドまで幅広く対応することが可能になる。これまでは、Qualcommがそうしたチップの支配的なサプライヤーだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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