米国サンフランシスコに拠点を置くbtraxは2月9日、サンフランシスコにて開催されるスタートアップ向けピッチイベント「SF Japan Night」のセミファイナルを東京にて開催した。登壇したスタートアップ15社のうち6社が、サンフランシスコで開催される決勝戦に進出した。
btraxが手がけるSF Japan Nightは、サンフランシスコやシリコンバレーのメディア、ベンチャーキャピタル、起業家などが集う場で、日本のスタートアップがプレゼンテーションをする。btraxではこのベントを通じて、日本のスタートアップの西海岸進出を支援している。イベントは、プレゼン、質疑応答など全編英語でなされる。これまでに、オンラインコラボレーションツール「Cacoo」を手掛けるヌーラボや、クラウドソーシング型翻訳サービス「Gengo」を手掛けるGengoなどがこの場でプレゼンをした。
今回で5回目の開催となるSF Japan Nightだが、第4回からはセミファイナルを日本で開催している。btrax代表取締役のBrandon Hill氏は「年々プレゼンの内容やプロダクトの完成度が高くなってきている。いい製品やサービスがもっと世の中に広がるきっかけになれば」と語る。
ここからは、デモをおこなった15社のプレゼンチームを順に紹介していく。
Librizeは、所有する本の情報をバーコードでスキャンして、オンラインで管理、共有し、ほかのユーザーと貸し借りするためのサービス。Facebookアカウントがあれば誰でも利用できる。
現在では本を管理する150件の場所と、2万8000冊の本の情報が登録されている。サービスは日本だけでなく、米ニューヨークなどでも利用されているという。
comobacoは、リアルとウェブを通じてモノを共有するサービス。コワーキングスペースなどのリアルな場に共有したいモノを提供し、ウェブに投稿することでその情報が可視化され、そのモノを共有できる。また、コミュニティ内で複数人が欲しいと思ったモノを共同購入する機能をもっている。
Facebook上の友人やBooklap上で知り合った友人と読書の感想を共有するサービス。自分が所有する本を仮想の本棚に並べ、本の中に記された名言や内容をその感想とともに投稿できる。これまでに1万冊以上の本が登録されている。
現在は、スマートフォンのカメラで本を撮影し、引用したい箇所をメモできるアプリ「Booklap Camera」を開発中だ。
Chatperfは、iPhoneと連動するガジェット「Chatperf」を開発している。専用アプリを通じてメッセージを送信すると、受信者のiPhoneに取り付けたChatperfから香りが出るという。
ガジェット内にある容器を交換することで、さまざまな香りを楽しめる。香りを使った広告やプロモーションでの利用にも期待する。現在特許出願中で、クラウドファンディングサービスの「CAMPFIRE」にて300万円以上を集めている。
MessageLeafはブログやウェブサイトの読者が、サイト運営者にダイレクトメッセージを送れるサービス。ウィジェットを設置したサイトにて、Facebookアカウントでログインすればメッセージを送付できる。
足の不自由な人や高齢者の利用を想定した次世代型パーソナルモビリティを開発している。座席、モーター、車輪が一体化した「WHILL type-A」は歩道での走行を実現し、保険適用による購入補助までを目指す。すでに19カ国40社から取扱いのオファーがあるという。
graficは、スマートフォン向けの雑誌風ブログ作成ツール。スマートフォンで撮影した写真を切り抜いたり加工したりして投稿できる。プレミアムコンテンツや有料フレームなどでマネタイズしていく予定だ。
ユーザーが立案した旅行企画を公開し、共感したほかのユーザーとともにその旅行企画を実現するというサービス。これまでに200人以上が旅行に参加。リピート率も20%を越えているという。
designclueは、デザインに特化したクラウドソーシングサービス。言語変換機能が備わっており、英語ができないユーザーも海外のデザイナーにデザインを依頼できる。現在50カ国以上のデザイナーが登録している。今後、中国市場を視野にいれた展開を予定しているという。
iPhone 5のテザリング機能を使うことで、GPS機能がなかったり、Wi-Fi回線しかなかったりするiPadなどと位置情報を共有できるサービス。これを利用して、iPad向けカーナビアプリ「なびすけHD」を開発中だ。
自分の服に合ったコーディネートを検索できるサービス。所有する服の色や形状などの情報を入力すると、スタイリストがその服に合わせたコーディネートを解説をしてくれる。
電動バイクの製造販売を手掛けるテラモーターズは、海外生産で低価格の電動バイクの販売を実現している。同社の「SEED」シリーズは最安モデルで定価10万円を切るという。今後は、中国やベトナムの市場での展開を進める。
million momentsは、スマートフォンにたまった写真を雑誌風のレイアウトで一覧できるフォトビューワーアプリだ。すでに50万件以上のダウンロード実績がある。現在ユーザーの73%はアジア圏だという。今後は米国を含めたグローバル展開を強化する。
学習アプリのShareWisは、学習の進捗を地図のようなインターフェースで表示してくれる。英語やプログラミングなど、さまざまな分野の学習コンテンツが利用できる。現在7万5000以上のもレクチャーが集まり、13000人のユーザが利用している。
UIScopeは、スマートフォンアプリやウェブサイトなどのユーザビリティテストをクラウドソーシング形式で行うサービス。専用のウェブカメラをユーザーに配布し、テストの様子を動画で記録して依頼者に提供する。
以上、プレゼンした15社から見事決勝戦に進んだのはcomobaco、電通、PurpleCow、シェアウィズ、InnoBeta、WHILLの6社。3月にサンフランシスコで開催される決勝戦に臨む。
開催も5回目となり、英語でのプレゼンのレベルも上がってきているという。Hill氏は参加者らに「日本だけではなく、最初から世界を視野にいれて事業を展開してもらいたい」と語った。
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