以下は「BlackBerry 10」という新しいOSについて知っておく必要のあることだ。このOSはクールであり、その操作はジェスチャー主体となっており、習得するのに少なくとも数分はかかるはずだ。ある点から見た場合、このOSは極めて先進的なものとなっており(筆者は「BlackBerry Balance」テクノロジと仮想キーボードのファンである)、別の点から見た場合、BlackBerryはこの数年いったい何をしていたのかと感じるはずである。
BlackBerry 10には、複数のアカウントを利用する機能や、受信トレイを統合する機能も搭載されている。また複数の電子メールアカウントやソーシャルネットワークにログインしたり、複数のネットワークに分散された連絡先情報やカレンダー情報を取り込むこともできる。筆者も使用してみたが、連絡先の重複は見られず、友人の住所も地図アプリ内でもきれいに分類、表示されていた。全体的に見て、素晴らしい驚きと言えるのはこの点のみであった。
また、他のBlackBerryユーザーとテキストやチャットのやり取りを行ったり、ソーシャルネットワークでの共有を行ううえで重宝する、Wi-Fi(802.11 a/b/g/n)やBluetooth 4.0、NFCといった機能も搭載されている。さらに、優れた楽曲再生アプリや基本的な地図アプリ、「Microsoft Word」および「Microsoft Excel」ドキュメントの閲覧/作成/編集や、「Microsoft PowerPoint」やAdobe SystemsのPDFファイルの閲覧に力を発揮する「Documents To Go」といったアプリも搭載されている。
BlackBerryは、FacebookやTwitter、Foursquare、LinkedInといったさまざまなソーシャルネットワーキングアプリも提供している。ちなみにこういったアプリは、見かけだけで実際はモバイル向けウェブサイトへの単なるリンクというものではなく、ネイティブアプリとして実装されている。しかし、YouTubeアプリは別だ。筆者はそのネイティブアプリの登場を待ち望んでいる。
ソーシャルネットワーキングアプリに加えて、メモや、Bedside Mode(着信音や通知音を停止してくれる特別な就寝モード。ただ、子守歌は流れてこない)を備えた目覚まし時計も提供されている。また、「Flixster」や「Box」「Dropbox」「Slacker Radio」、ハマってしまう「Angry Birds Star Wars」といったアプリも提供されており、筆者の使ったレビュー用端末にはカナダの新聞やスポーツ関連、交通機関関連のアプリも数多く搭載されていた。
「BlackBerry World」には、アプリやゲーム、楽曲、映画、TV番組といったカテゴリごとに数多くのコンテンツが簡単に閲覧できるようになっている。昔からのパートナーである「7digital」が楽曲を取り扱い、Rovioがゲームカテゴリをけん引している。なお不思議なことに、よく売れている有料アプリは検索できるものの、具体的に指定して無料アプリだけを検索するオプションは用意されていない。
ビジネスユーザーや、セキュリティに厳しいユーザーは、昔からBlackBerryの機器を愛用してきた。Z10は、BlackBerry Balanceを搭載することで、こういった顧客層からの要求にも応えられるようになっている。つまり、BlackBerry Balanceを使用すれば、個人用のアプリとビジネス上の重要なアプリのすみ分けが、企業のITマネージャーの手助けを得たうえで実現できるようになるのである。この他にも「BlackBerry Protect」を用いたリモートワイプ機能は言うに及ばず、プライバシー設定や、BlackBerryの署名暗号化サーバ、そしてペアレンタルコントロール機能までもが用意されている。
BlackBerryはZ10を、スマートな新規デバイスを求めているコンシューマー、および仕事で使うアプリの設定を行うためにIT管理者に気軽に携帯電話を引き渡せるようにしたいと考えているビジネスプロフェッショナルの双方に向けて売り込んでいこうとしている。今日のBYODという流れに乗って、個人の携帯電話が職場に持ち込まれているなかで、多くの会社はセキュリティについてことさら考慮せずに済ませてしまうとともに、社内で機器を統一するという考えも放棄してしまっている。こういった状況が長い間続いているため、Z10の販売は厳しいものになる可能性もある。
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