Macworld/iWorld 2013レポート--家庭に拡がるタブレットとワイヤレス - (page 2)

iPhoneの“顔”となったカメラ

  • iPhone 5向けのレンズ

 Macworld/iWorld 2013で最も注目されていたカテゴリはiPhoneのカメラだ。Instagramの成長で明らかなように、スマートフォンのカメラとアプリの組み合わせは、これまでにない写真の楽しみを提供してくれている。各社がブースを揃える「Expo Zone」の会場では、「iPhoneography Lounge」と称してiPhoneによる写真作品の展示やワークショップなどを行っていたほか、2日目の夕方からはメインステージで「iPhone Film Festival」としてiPhoneで撮影された映像作品の上映が行われた。

 日本でもiPhoneに取り付けてズームやマクロ、魚眼レンズによる撮影を可能にするOllo Clip iPhone camera Lendsは人気があるが、iPhone 5向けのモデルやマイクなどと組み合わせた映像向けの活用を紹介していた。また、ハイエンドなiPhone/iPad向けのレンズキットとしてSchneider OpticsのiPro Lendsが披露されていたほか、iPhoneで安定した映像を撮影するためのホルダーも展示されており、イメージング分野への注目はまだまだ拡がると見られる。

  • マイクなどと組み合わせ、iPhoneを映像にも活用できる

  • Sheneider OpticsのiPro Lends

  • iPhoneで安定した映像を撮影するためのホルダー

外付け電源への取り組みは、日本が進んでいる?

 iPhoneの電池対策は、日本はニーズが高く、商品としても一歩進んでいるように感じた。

  • Hyperの「HyperJuice」

 人気のアプリケーションや都市の中での生活スタイルにもよるが、日本の場合、ケータイメール、LINE、Facebook、Twitterと地下鉄の中でひっきりなしにアクセスしていると、出社や投稿までに3割の電池を消費するなんて事も少なくない。そこで日本では外付けバッテリが容量やデザインなどで多様に販売され、価格も10000mAhクラスで3000円前後にまで下がってきている。

 しかし米国では、価格は高いし、バリエーションも依然として少ない。MacBookシリーズ向けの外部電源も手がけてきたHyperはiPhone向けに「HyperJuice」をラインアップし、カラフルで直接コンセントでの充電にも対応する機能的な筐体でアピールしていた。またMy FC Power TREKKはスプーン1杯の水で発電してくれる燃料電池を採用している。

  • スプーン1杯の水で発電する燃料電池

 Power TREKKの名前の通り、米国ではどちらかというと、日本のような普段使いと言うよりも、出張やトレッキングと行ったアウトドアユースで外部バッテリが利用されるケースが多いようだ。クルマで移動するならシガーソケットからスマートフォンやタブレットを充電することができるため、必要性に欠けるのかもしれないが、外部バッテリのチョイスが少なく価格も高いため、日本製の製品に可能性があるのではないか、と感じている。

家庭内に拡がるタブレットと、ワイヤレスライフ

  • PolkのUltraFocus 8000 Active Noise Canceling Headphonesのデモ

 今回のMacworld/iWorldで特に気になる変化は、家庭内を含む「ワイヤレス」を基本とした提案の多さだった。パソコンはノート型へ移行しているが、スマートフォンやタブレットは完全にワイヤレスが前提の世界だ。

 例えばヘッドフォンのBluetooth対応はこれまでもあったが、ノイズキャンセルやタッチ操作など、高性能化の波も進んでおり、PolkのUltraFocus 8000 Active Noise Canceling Headphonesのデモでは、遮音ブースの中での生演奏を、ノイズキャンセル対応のワイヤレスヘッドフォンで聴く、という静かな演奏会が展開されていた。

 またドキュメントスキャナScan Snapの新機種Xi500はスキャンした文書をワイヤレスでiPhoneやiPadから閲覧できるデモを行ったり、HyperのiUSBportはHDDやフラッシュドライブなどを接続してワイヤレスでiPhone/iPadからアクセスできるようにするなど、家の中やパーソナルな領域でWi-Fiを活用したデバイス間連携の姿を、デバイス+アプリという組み合わせで行っていたのが印象的だった。

 ありそうでなかったのが、iPadスタンド付きのまな板だ。防水カバーを付けたiPadでレシピを見ながら料理をできるというもの。我が家でもまさに必要な一品と言える。

  • ドキュメントスキャナScan Snapの新機種Xi500

  • HyperのiUSBport

  • iPadスタンド付きのまな板

日本からはMokuが出展

  • 木製のデスクトップチェア

 出展の中で、ひときわシンプルで美しい木製のMacBook Air/iPadスタンドを見つけた。「Atelier MOKU」というブランドで、工業デザインと木工技術を持つ親子によるデスクトップチェアは、海外のプレスの目を引いていた。2011年7月に日本版KickstarterであるCampfireで量産・流通のための資金を募り、見事マイクロファンディングに成功。今回Macworld/iWorldには、新作のデスクトップスツールを携えての参加となった。

  • 美しいデザインを特長とする

 デスクトップチェアはMacBook Airを閉じて立てかけて、外部ディスプレイやキーボードなどを使ってデスクで作業ができるようにするものだったが、デスクトップスツールはMacBook Airを開いて設置して利用できるようにするためのもの。こちらもヒットを飛ばす商品になるのではないだろうか。

 日本の素材への知識や加工技術、そしてデザインは、海外で高く評価されるが、まだまだ海外へ紹介されていなかったり、ガジェットなどの新しい分野に合わせた商品を送り出していないなどの問題がある。Atelier MOKUのように、より多くの斬新なアイディアと確かな技術を持つマイクロメーカーがこうした場で世界の目に触れると、よりたくさんのチャンスがあるはずだ。

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