新たな報道によると、Facebookは実生活の場で友達の居場所を探せるスタンドアロンのアプリを新たに開発中であるという。同社はこのアプリにより、競合は多いものの、まだどこも大きな成功を収めていない分野に参入することになる。
Bloombergは、まだ名前の付けられていないこのアプリが、3月に開催されるSouth by Southwest(SXSW)に間に合うようにリリースされる予定だと報じている。同アプリは、開いてない状態であっても、バックグラウンドでユーザーの居場所を追跡し、その居場所を近くにいる友達に知らせるようになっているという。
この新アプリは大雑把に言って、「Foursquare」や「Highlight」「Google Latitude」、Appleの「Find My Friends(友達を探す)」といったアプリに似ている。こういったアプリには、特に探そうとしていない場合であっても友達を見つけられるというメリットがある。一方、プライバシーにかかわるさまざまな問題が潜んでおり、バッテリの消費が早くなるというデメリットもある。
しかし現在のところ、広く普及しているアプリは1つもない。その理由の一部には、ネットワーク効果が発揮できていない、すなわちユーザー数が少なすぎるために、本当に有用なものとなっておらず、それ故に新たなユーザーを呼び込めていないという点がある。ただ、10億人を超えるネットワークユーザー数を誇るFacebookは、こういったアプリを成功させるうえで最も有利な立場にあると言える。
Facebookがこういった追跡機能を、最近提供された「Nearby」機能(ユーザーの居場所近くにある興味深い場所を見つけられるようにする機能)のような新機能として提供するのではなく、スタンドアロンのアプリとして提供しようとしている点は注目に値する。とは言うもののFacebookには、膨大な数のユーザーが利用する同社の主要アプリに対するこういった機能の追加に慎重になる十分な理由がある。プライバシーに対する明らかな懸念があることを考えると、ユーザーがダウンロードというかたちで明確な参加表明を行うアプリでこの機能をテストする方が賢明かもしれない。
しかし数多くのユーザーが利用するようになれば、同アプリはデータの宝庫となる可能性がある。Bloombergも指摘しているように、Facebookは同アプリを通じて得たデータを利用し、ユーザーが現在いる場所のみならず、ユーザーの日常的な行動パターンに基づいて広告を販売できる可能性がある。この点だけに目を向けても、こういったアイデアを追求する価値がある。ただし、少なくとも当面は、同社の主要モバイルアプリ内ではなく、別のアプリとして追求することになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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