三菱電機は2月4日、2012年度第3四半期(2012年4月〜12月)の連結業績を発表した。
売上高は前年同期比2.1%減の2兆5068億円、営業利益は30.0%減の1132億円、税引前四半期純利益は84.4%減の257億円、当期純利益は40.1%減の491億円となった。
また、第3四半期単独では、売上高は前年同期比1%減の8108億円、営業利益は51%減の236億円、税引前四半期純損失は1056億円悪化のマイナス470億円の赤字、当期純利益は56%減の55億円となった。
三菱電機 常務執行役の吉松裕規氏は、「第3四半期単独では円安の影響があり、売上高で100億円のかさ上げとなった。そのうちドルで40億円、ユーロで微増、残りはアジア通貨などによるものとなっている。税引前四半期純損失では、防衛省などとの契約における過大請求事案に関する返納金を営業外費用として757億円を計上した影響がある」としたほか、「年末から円安となり、株価が上昇して明るい動きがある一方、好調な米国を除いて国内・海外ともに明確な回復の動きはまだみられない。産業メカトロニクスと電子デバイスは厳しい状況にある。FAの操業率悪化の影響もある」と総括した。
セグメント別では、第3四半期累計で、重電システムの売上高が前年同期比3%増の6768億円、営業利益は前年同期並の489億円。社会インフラ事業では前年同期に東日本大震災の復旧需要があった反動が影響したが、国内外の電力事業の増加により前年同期並となり、ビル事業では前年同期の海外大口需要の反動により減少したが、国内の昇降機のリニューアル需要の増加、中国での昇降機の新設需要が好調だった。
産業メカトロニクスの売上高は前年同期比6%減の6830億円、営業利益は332億円減の504億円。FAシステム事業は、中国、韓国、台湾の半導体、フラットパネルディスプレイ関連を中心とした設備投資の抑制などにより前年実績を下回ったものの、自動車機器事業は北米市場の回復や国内市場のエコカー補助金制度による下支えで前年実績を上回ったという。
情報通信システムの売上高は前年同期比10%増の3579億円、営業利益は19億円増の107億円。通信事業は通信インフラ機器の増加などが貢献。情報システム・サービス事業はITインフラサービス事業およびシステム運用事業が減少。だが、システムインテグレーション事業が増加したという。
電子システム事業は前年並みの受注になったという。
電子デバイスの売上高は前年同期比22%減の1198億円、営業損失は103億円悪化のマイナス32億円の赤字。半導体事業は産業用、民生用、電鉄用パワー半導体の需要が減少。第3四半期は自動車用も低調になったという。液晶事業では産業用途製品などが増加したという。
家庭電器の売上高は前年同期比5%減の6154億円、営業利益は63億円減の181億円。国内向け液晶テレビおよびブルーレイディスクレコーダーの大幅な需要減や、円高の影響による欧州での空調機器の不振が影響したというが、その一方で、固定価格買い取り制度による国内向け太陽光発電システムの需要増があったという。
「太陽光発電システムは、産業用と個人用を含めて好調。第3四半期単独では2倍、累計でも1.2倍になっている」という。
その他部門では売上高が前年同期比5%減の4263億円、営業利益が11億円減の104億円となった。
「電子デバイス部門が赤字となり、四半期別では3年ぶりにすべてのセグメントで黒字化しなかった」という。
なお、通期見通しは2012年12月に修正を発表しており、その公表値を据え置いた。売上高は前年比3.3%減の3兆5200億円、営業利益は33.5%減の1500億円、税引前四半期純利益は82.1%減の400億円、当期純利益は55.4%減の500億円とする。
「円安の傾向はありがたい。ドルでは1円で売上高に50億円、ユーロで20億円の影響がある」という。
なお、来期以降の見通しについては「半導体の回復は楽観できず、FAについてもこの下期の回復は見込めず、2013年度第2四半期以降になるだろう。自動車関連については中国の影響があるが、全体的には緩やかに伸びる」などとした。
また、第3四半期で36%となっている海外売上高比率については、「なるべく早く海外売上高比率40%を達成したいと考えているが、目標として掲げている売上高4兆円に向けては海外事業の成長が必須であり、4兆円達成時には自然と40%の海外比率になっていることになる」などとした。
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