ボーイング787、問題解決には1年かかる可能性も--米MIT教授が示唆

Steven Musil (CNET News) 翻訳校正: 編集部2013年01月28日 12時31分

 バッテリを専門とする米マサチューセッツ工科大学(MIT)の化学教授が、Boeingが航空機のバッテリ問題を解決する方法について複数の提案を行った。このうちの1つが選ばれた場合、同社「787 Dreamliner」の運航停止は2014年まで続く可能性がある。

 Donald Sadoway教授はForbesに対し、787機の問題は、現行のリチウムイオン電池からニッケル水素(NiMH)電池に変更することで解決される可能性があると語った。しかし、Forbesの報道によると、より優れた安全性の実績を持つNiMH電池への変更は、承認までのプロセスに長期間かかる可能性があり、完了までに最大で1年かかる可能性もあるという。

 1月に入って運行中の発煙トラブルが相次いで発生したことから、米連邦航空局(FAA)は米国時間1月16日に787機の運航停止を命じている

 Sadoway氏は、Boeingがリチウムイオン電池を採用したのは、787機を軽量化して運航コストを削減するという同社の目的に沿うものだったと語った。しかし、リチウムイオン電池は「有機電解質によって揮発性や引火性が高まる」ため、自然発火する傾向がより高いという。

 Sadoway氏はForbesに対し、787機のリチウムイオン電池を試験した際、バッテリの冷却機構が見当たらず驚いたと語った。

 「大型のバッテリでは、周囲に熱を発散するよりも速く熱が発生することがある。その結果、バッテリの温度が危険なほど高い水準まで上昇することがあり、発煙や最終的には発火につながる」と同氏は述べた。

 しかし、同氏によると、NiMH電池のための新たな制御システムの設計や構築、試験には、1年を要する可能性があるという。

 Boeingの担当者は米CNETに対し、調査が完了するまでコメントを控えると語った。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]