Googleは同社のプログラミング技術「Native Client」(NaCl)をアップデートし、ARMベースの機器でアプリケーションを実行できるようにした。
NaClを使うと、コンパイルしたCおよびC++コードを「Google Chrome」ブラウザで実行できるほか、プラグイン経由で「Firefox」でも実行可能になる。NaClを使用したプログラムは、ブラウザ内で通常実現できるものと比較してパフォーマンスに優れ、プラグインを使わずに動画のレンダリングや音声の再生ができる。
GoogleのソフトウェアエンジニアであるDavid Sehr氏は米国時間1月22日付のブログ投稿で、NaClのソフトウェア開発キット(SDK)バージョン25にARMベースの機器のサポートが導入されたと発表した。これまでNaClは、Intelのx86系プロセッサまたはAdvanced Micro Devices(AMD)製のプロセッサを搭載する機器でしか実行できなかった。
今回のアップデートによってNaClアプリを実行できるプラットフォームの範囲は拡大したが、依然として新型のサムスン製「Chromebook」を除くARMベースの機器では動作しないと米CNETは伝えている。さらに広範なARMベースの機器に対するサポートは、2013年内、Googleが「Portable Native Client」(PNaCl)と呼ばれる次世代のNaClをリリースする際に追加される予定だ。これにより、LLVMのBitcodeフォーマットを使用した、真のハードウェアアーキテクチャ非依存が実現することになる。
現時点でNaClアプリは「Chrome Web Store」でしか入手できないが、Googleによるとこれは、対応するアーキテクチャに限って提供するための仮の措置だという。この制約はPNaClがリリースされれば撤廃される予定だ。
既存のNaClアプリをアップデートしてARM対応にする手順は比較的シンプルで、開発者はSDKのバージョン25をダウンロードしてARMの「.nexe」ファイルを自身のアプリに追加し、NaClのマニフェストファイルを若干調整するだけでいい。
CおよびC++以外のネイティブ言語に対するサポートは、他の言語のコンパイラ開発に合わせてNaClに追加される予定だとGoogleは述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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