Appleがシャープに対し、9.7インチの「iPad」用ディスプレイの生産を縮小するように求めたという。この動きの背後に「iPad mini」があるのでは、という声も上がっている。
Reutersは米国時間1月18日、シャープのiPad向けディスプレイの生産は「最低水準」にまで落ち込んでいると伝えた。シャープの生産計画に詳しいとされる人たちの話として、生産の縮小は2012年末に始まったと報じている。
この情報筋によると、生産縮小の原因としては消費者の需要が大きくiPad miniにシフトしていることが考えられるという。ただし、どれくらいの数のiPad minがディスプレイ生産に影響を与えている可能性があるのか、情報筋は明らかにしていない。また、単なる季節調整の可能性もあると情報筋は述べている。
疑問が生じているのは「iPad」の生産についてだけではない。数日前には「iPhone 5」の部品生産がおよそ半分に縮小されたとの報道が流れ、iPhone 5の需要が落ち込んでいるのではないかとの声も出ていた。だが、アナリストらの推測によると、生産縮小の主な理由はAppleが自社のサプライチェーンを効率的に管理していることで、実際、iPhone 5の需要は多いという。
iPad miniの人気が高いのは間違いないが、これが9.7インチのiPadの需要を本当に奪っているかどうかは明らかでない。実際のところ、iPad miniはAppleのタブレット事業全体に貢献している可能性もある。Finvista Advisorsのアナリストは2012年12月、Appleが第4四半期に出荷する台数が、iPad全体で2400万台から2600万台になる可能性があると述べた。このうち600万台から700万台をiPad miniが占めることになるとFinvista Advisorsは予想している。もしiPad miniがなかったとすれば、第4四半期の出荷台数は2270万台にしかならなかった可能性がある。
米CNETでは、Reutersの記事についてAppleにコメントを求めているが、本稿掲載時点で回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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