衛星放送サービス事業者のDISH Networkは、ソフトバンクが201億ドルで提案しているSprint Nextelの買収について、米連邦通信委員会(FCC)に審査を停止するよう求めた。
ソフトバンクは2012年10月にSprint株式の70%を取得することに合意した際、その時点ではまだ所有していなかった分のClearwire株式の取得資金としてSprintに現金を提供した。Sprintはこのところ移動体通信市場で苦戦しており、周波数帯の範囲を広げてさらに多くの顧客を獲得するためClearwireに買収を仕掛けた。
Sprintは既に過半数の株式を保有するClearwire株の残りを1株あたり2.90ドルで買い取ることを提案した。ソフトバンクはその後、1株あたり2.97ドルでの買い取りに同意し、それ以上の支払いを拒んだ。
これにDISH Networkが対抗してClearwireが他の企業から買収提案を受けているわけでもないにもかかわらず、Sprintの提案をはるかに上回る1株あたり3.30ドルでの買収を提案した。ただしClearwireはこの時の声明で、DISH Networkの買収提案は検討するものの、Sprintとの「現在の契約内容によって厳しく制限」されていると述べていた。Sprintは現在もClearwire株の50%超を保有しているが、議決権は有していない。
DISH NetworkはClearwireに買収を提案したことで、FCCに対しソフトバンクによるSprint買収の審査を停止するよう求めている。ソフトバンクによるSprintの買収が失敗に終わればSprintはClearwireの残りの株式を取得する現金を獲得できず、DISH Networkが取得できるからだ。
DISH NetworkはFCCへの提出書類の中で、SprintによるClearwireの買収提案はSprintとソフトバンクの取引が進展するかどうかにかかっているため、これらの「不確実な状態によって、ソフトバンクとSprintの申請を検討する機は熟していない」と述べた。
Bloombergによると、ClearwireはSprintからの買収提案について何も決定しておらず、DISH Networkと協議することで選択肢を残しておく意向だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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