3つのOSのうち、FirefoxとUbuntuには熱心な開発者が非常に多くいる。またサムスンには、自らのビジョンを高機能の携帯端末で実現するための資金と力がある。しかし、この3つのOSのいずれも、現実のハードウェアの発売計画は2013年中または2014年になってからである(Firefox OSが一番早く、2013年にブラジルをはじめとする南米諸国での発売を予定している)。
筆者は、混乱の元となるものを締め出せるほど現状が堅固なものであり、今後もそれは変わらないと言おうとしているのではない。実際、2007年以前のモバイル市場にしてみれば、iPhoneとAndroidの2つが混乱の元であり、非常に大きな成功を収めた。
iOSは直感的なナビゲーション、Androidはオープン性という新しいパラダイムをそれぞれ示した。それを支えたのは、豊富な資金と、ハードウェアについての確固たるパートナーシップを備えた巨大企業だった。
サムスンは例外かもしれないが、FirefoxやUbuntuにはそうした劇的な成長を支えることはできないだろうと筆者は考えている。
第5または第6のスマートフォンプラットフォームにとって、現在の状況は有利なものではないと筆者が考えているといっても、その3つのOSのいずれかがニッチな人気を獲得することがあり得ないわけではない。
Linuxを愛する独立独行タイプのユーザーや開発者は、UbuntuやFirefox OSを熱心に応援してきた。またこれら2つのOSは、機能や設計をメインストリーム化する前に、オープン環境で興味深い実験を行うのに適した場所になる可能性がある。
多くの人々が、シンプルな携帯電話からスマートフォンへと移行しつつある新興国にも、非常に大きな販売機会がある。専門家らは、2012年に約17億台のスマートフォンが販売されたと見積もっており、未成熟市場でのスマートフォン普及率が高まるにつれて、この数は増加しつつある。
安価なハードウェアと、シンプルなオープンソースソフトウェアを組み合わせれば、新規のスマートフォンユーザーを無名のOSブランドに引きよせることは可能だ。しかしAppleやGoogleの強い影響力と比べれば、世界規模での浸透度は非常に小さいだろう。
われわれがTizenやUbuntu、Firefoxから学べるのは、オープンソースコードの持つ柔軟性を重視することであり、HTML 5というウェブ標準に頼ることだ。いずれもデバイスのブランドやプロプライエタリソフトウェアを横断するウェブプロトコルを利用して、オフライン時も含めて、あらゆるデータをクラウドに保存している。
新たなOSが躍進し、iOSやAndroidのように注目を集める機会があれば、RIMとWindows Phoneが最初に脱落し、webOSのように消え去る羽目になるだろう。この2社がどうなるかは近いうちに分かるだろう。
それまでは、先行組のOSには注目の新規参入組と戦うだけのリソースがある。そしてどのようなOSが新たに参入してきても、ホワイトノイズが大きくなるだけのことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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