「Raspberry Pi」はただのデザートではなくなった。現地時間12月17日に発表された「Pi Store」は、破格の安値で提供されているクレジットカードほどのサイズのRaspberry Piシステム向けのアプリやチュートリアル、ゲーム、ツールのマーケットである。つまり、Raspberry Piは十分な食事の様相を呈すようになってきたというわけだ。
Raspberry Piブログへの投稿によると、同ストアは「Raspbian」上のXアプリとして稼働しており、アプリやその他のコンテンツのダウンロードや、モデレーション後に仮想の陳列棚に追加してもらうためのアップロードが可能になっている。Raspberry Piプロジェクトは当初から、世界中の子どもたちのプログラミングに対する興味を引くことを主目的としているため、モデレーションが行われるようになっている。このため当面は、マルウェアや、ビキニ写真を収集してくるアプリを探そうなどとは思わないことだ。
Pi Storeは「Google Play」と同様、開発者はアプリを有償でも、無償でも提供できるようになっているが、「チップ入れ」という機能も用意されており、アプリが無償であっても、高品質のアプリを提供する開発者を支援するために投げ銭を支払えるようになっている。
現時点では、「LibreOffice」や「Freeciv」「Iridium Rising」、「Spotify」のオープンソースクライアントである「despotify」を含む25タイトルが利用可能になっている。残念なことに、despotifyを利用するには、「Spotify Premium」アカウントが必要となる。ただ、Spotifyの月額プレミアム料金の支払いを3カ月控えただけでRaspberry Piを買えてしまうくらいのお金になるのは、少し皮肉なことである。
Raspberry Piベースのスーパーコンピューターも少なくとも1台存在しているものの、Pi Storeでは今のところまだ、スーパーコンピューター向けのアプリは提供されていない。
とは言うものの、Pi Storeはおいしい一切れになりつつある。開発者たちが同ストアに有益なタイトルを数多く提供するようになるかどうかについては、もう少し様子を見る必要があるだろう。とりあえず、ウェブ上でどういったものが利用できるのかチェックしてみてほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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