Wi-Fi機能を搭載したカメラは脅威か?--Eye-Fi創業者に聞く、開発エピソードと戦略 - (page 2)

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――初期型と最新型を比べると、書き込み速度が大幅に向上していますね。

「Eye-Fi Pro X2 16GB Class10」
「Eye-Fi Pro X2 16GB Class10」

Ziv:初期型では、「ハイパーストーン」という“ありもの”のチップを使っていましたが、現行のEye-Fiカードには「X2」というチップを使っています。製品名を見ていただくとわかりますが、「X2」と入っています。これはモデル番号を意味するのではなく、搭載したチップを表しているというわけです。この「X2」は、弊社が開発したもので、高速メモリと高速無線の相性を気にせず、自由に組み合わせられるというメリットがあります。その結果として、高速化を実現しました。

――初期型が発売された当時、日本での流通は開始されていませんでしたが、個人輸入という形で利用する日本のユーザーがいました。ブログなどで紹介され、国内での認知度が上がっていたという経緯がありますが、米国ではどうやってEye-Fiが広まったのでしょうか。

Ziv:まず、初期の段階でユーザーがどのような使い方をしているのか調べたところ、オンラインサービスの「Flickr」にアップロードしている人がほとんどでした。当時、Flickrとはお父さん・お母さんが利用するというよりは、アーリーアダプターが利用するサービスでしたから、そういったユーザー層にご購入いただいたということになります。しかし最近では、PicasaやFacebookなどを利用する“一般的な”ユーザーがほとんどです。売り場に関してもオンラインだけでなく、量販店などで取り扱ってもらえるようになりました。つまり、使い方の面、販路という面からも、幅広い層で利用されていると考えています。

田中:認知度を高めている要因としては、対応するカメラの増加も見逃せません。売り始めの頃は互換性の悪い製品だったと思います。使えた、使えなかったという情報が話題になるくらいでした。それが今では、使えないというのはほとんどなくて、Eye-Fi連動機能を多くのカメラが実装しています。

――Zivさんはプロカメラマンとしても活動しているとのことですが、Eye-Fiカードをどのように活用しているのでしょうか。

Ziv:まず、プライベートな使い方ですが、JPGEの最高画素で撮影し、iPhoneに転送しています。そして、iPhoneからパソコンやオンラインサービスの「SmugMug」へと転送しています。iPhone 5になってから、LTE通信が利用できるようなったため、通信のストレスが軽減され、嬉しく思っています。

 プロカメラマンとしての使い方は、モデルを撮る時にiPadと合わせて利用しています。Eye-FiからiPadに転送するわけですが、モデルが自分の表情を確認、またはセッティングが上手くいっているかチェックするために活用しています。この時、なるべく小さなJPEG+RAWで撮影してます。RAW画像は転送しないように設定しており、確認用のJPEGと区別しています。そしてEye-Fiと直接関係はないのですが、iPad用のアプリ「Shuttersnitch」と「Photosmith」という2つのアプリを利用しています。「Shuttersnitch」はiPad上でRAWデータをチェックする時に利用し、「Photosmith」は取捨した情報をLightroomと同期させるために利用します。そして、クライアントにチェックしてもらう際、オンラインサービスの「Zenfolio」を使っています。

Ziv Gillat氏の作品
Ziv Gillat氏の作品

――今回、上位モデルのEye-Fiカードが発表されました。今後の製品スケジュールなどが決まっていたら教えてください。

Ziv:会社のポリシーとして、確定していない情報をお教えすることはできないのですが、我々がユーザーに対して重要視していることは、デジカメやスマートフォンで撮った写真をどういう風にしたら簡単に整理できるのか、そしてどうやったら簡単にシェアできるのか。そこに対するソリューションを会社として提供できるように活動しています。我々としては、“ダイレクトモード(カメラからスマートフォンに転送できる)”が1つの答えなのですが、まだまだ完全ではないため、利便性というところに着目して改善していきたいと思います。

 実のところ、Eye-Fiカードの中は若干の余裕があります。将来的には「NFC」を搭載して、写真の交換……といったこともできるかもしれません。

――“無線LAN機能”の搭載という意味では、無線LAN搭載デジタルカメラやEye-Fi以外のSDカード型の製品が登場しています。Eye-Fiの優位性をどのように考えていますか。

Ziv:昨今のカメラ市場を考えれば、無線LAN機能を搭載したカメラは多数登場するでしょう。Eye-Fiにとってそういった製品の登場は“脅威”に感じるのでは? と思うかもしれません。しかし、今後のサービスのためには、歓迎できる環境であるともいえます。単純にネットワークに接続できるというだけでは、その機能を活かし切れません。繋がったからこそできるサービスというのを先回りして提供し、提案したいと考えています。

 また、例え全てのカメラに無線LAN機能が搭載されたとして、現状のEye-Fiカードであったとしても問題はありません。カメラの機能としてアップする先をA、Eye-Fiを使ってアップする先をBとしておけば、アップロード先を複数もてるわけですし、使い方、そしてサービスによる差別化も図れます。そういった意味では、他の無線LAN機製品と異なり、共存できるのではないでしょうか。

田中:元々Eye-Fiは、ユーザーが写真とかビデオとかを簡単に整理して共有するといった“行為”を手助けする企業であり続けたいと考えています。Eye-Fiカードはそのきっかけであり、Eye-Fi Viewはより簡単な共有を手助けするサービスです。今後はさらにその辺を強化したいと思っています。

――ありがとうございました。

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