富士通は10月19日、新製品発表会を実施し、個人向けクラウドサービス「My Cloud」(マイクラウド)や、Windows 8搭載のパソコンやタブレットのラインナップを発表した。
発表会の冒頭では富士通執行役員常務の大谷信雄氏が登壇。「富士通が考えるこれからのパソコン」と題して、同社が目指すコンシューマ向けPCの方向性が語られた。
「ここ10年でCPUの性能は10倍以上に進化したが、PCの利用用途はそれほど大きく変わってない」と切り出した大谷氏。しかし、一人あたりの写真撮影枚数が10年間で約10倍になっている例を出し、個人情報や家庭情報のビッグデータ化ならびに、生涯情報を守るとともにどう活用するのかが重要課題とした。
現代に求められるPCの役割として、家庭であふれる情報を集める家庭内データセンタ的な役割と、スマホやデジカメ家電などとデータの集約やコントロールなどシームレスに活用していくことの2つを挙げた。そこで同社が目指すコンシューマ向けPCは、CPUやストレージを活用し、家庭内データセンタとしてPCの持つ力を発揮する「Power」と、Windows 8の持つUIや魅力を活用して楽しむ「Fun」のふたつ方向性を持つとして、「FMVはWindows 8とPower&Funというキーワードで新しい世界を築いていく」とした。
個人向けのクラウドサービスのMy Cloudについて、今回発表された個人向けFMVやタブレット「ARROWS Tab Wi-Fi」とあわせて本格展開をする。My Cloudはすべてのデータをネット上にを置くのではなく、My Cloud-Pでローカルにデータを置き、必要に応じてネット上のMy Cloud-Sにデータを置くというハイブリットなクラウドサービス。夏モデルではMy Cloud-Pのサービスのみとなっていた。
主なサービスとしては、パソコンに取り込んだ写真をイベントごとに自動で整理する「Photo」、家のレコーダーやテレビパソコンなどに録画してある録画番組を自動で整理整頓し一元管理、さまざまな機器で再生することができる「TV・AV」、ECHONET Liteに対応したエアコンなどの家電機器の消し忘れを通知し、外出先からスマートフォンで運転をオフにすることができる「ECO」、パソコンの状態を管理し最適な情報やサポートサービスを紹介する「Best Life Support」の4サービス。外出先からスマートフォンで家のパソコンにアクセスできる「My Cloud モバイルアクセス」も提供する。
My Cloudのアカウントを取得することで、電話サポートが1年間無料ならびに、オンラインストレージ「My Cloud ライブラリー」で、ベーシックプランとなる5Gバイトの無料ストレージが利用可能。ほかにも月額380円(初月無料)による「My Cloud ライブラリー プラス」も提供する。ストレージ容量は同一ながら、ファイル形式の制限がなく(ベーシックは画像等、PDF、テキストのみ)、最大ファイルサイズも1ファイル500Mバイト(ベーシックは15Mバイト)、バックアップDVDの送付などの特典が受けられる。容量拡大については、10Gバイトコースが月額525円、20Gバイトコースは月額945円で対応する(ともに初月無料)。
新製品について、富士通執行役員の齋藤邦彰氏は「Windows 8はタッチ操作がとても簡単で快適。そのため、我々はヒューマン・セントリック・テクノロジーを駆使して、タッチというものをさらにフォーカスし、Windows 8を150%利用できる先進の機能を盛り込んだ」と自信を見せた。
機能の追及のみならず、防水タブレット「ARROWS Tab Wi-Fi」と新たな女性向けPCブランド「Floral Kiss」も、ラインナップとして大きくアピール。ARROWS Tab Wi-FiはWindows 8搭載のタブレットで、9.9ミリメートルという薄さや防水性に優れている点を強調。Floral Kissは女性開発スタッフが女性目線に立って作られたPC。単に天板のカラーバリエーションが違うだけではなく、ネイルで傷つかないように配慮されたクラッチバック形状のゴールドラインやゴールドリングで囲んだキーボード、さらには通風孔の穴が花柄デザインという細かいところにまで女性向けデザインにこだわったPCとなっている。
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