富士通研究所は6月4日、映像を媒介した新たな情報通信技術を開発したと発表した。テレビ映像を携帯電話で撮影すると、映像に埋め込まれた情報が受信できるとしている。
この技術を利用し、デジタルサイネージやテレビから携帯電話へ情報を送信。クーポンの配布や店舗情報の取得などができるようになるとのことだ。
開発されたのは、映像に微小な灯りを埋め込み、その微小な灯りの数を増減することにより光通信のような明暗を緩やかに発生させ、情報を送信するというもの。1つ1つの明かりの明るさは人間の目で認識できない程度で、時間をかけて徐々に変化させることで、人間の目には知覚できないという。
情報を携帯電話に送るため、明暗のタイミングが異なる2種類の波を用意し、送りたい情報に応じて切り替えながら発信。携帯電話側では、撮影した映像から画面の明るさの変化を抽出し、2種類の波から発信されている順番を判定することで情報を読み取れるという。1秒で16bitの情報を送信でき、撮影時間は2~3秒程度。
同社ではこの技術を活用することで、自社ホームページURLへの誘導、クーポンによる集客、CM効果の測定、イベントに連動した新サービスなどが実現できるとしており、視聴者側にも、映像に連動したホームページに簡単にアクセス可能、映像の視聴をゲーム感覚で楽しめる、携帯電話をかざすだけでほしいものが購入できる、などのメリットがあるとしている。
今後はテレビ映像から携帯電話へ配信する通信速度を改善し、2013年度中の実用化を目指す。
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