ひとに優しいインターフェースを構築するには--「iOS」アプリ開発者に贈るティップス - (page 2)

Gregory Dean (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2012年10月12日 07時45分

ベストプラクティス

 iPhoneのように画面領域が貴重である場合、以下のベストプラクティスを実践し、最高のエクスペリエンスを保証するようにしてほしい。

  • 対話的要素をデザインする際には、そのiOSアプリの想定ユーザーについて熟慮する。
  • タッチ対象領域は、想定する平均的なユーザーがほぼ正確にタッチできるだけの十分な大きさを確保する。
  • 対話的要素の周辺には十分な空間を確保しておき、誤ってタッチしたり、不用意に手が当たることのないようにする。
  • ほとんどのiPhoneユーザーは、簡単なナビゲーションを行ったり、アプリとの基本的なやり取りを行う際に親指を用いるという事実を認識する。
  • iOS機器向けアプリのコンパイル後は、シミュレータ上ではなくiOS機器上で実行し、操作上の難点をできる限り多く洗い出すようにする。

 インターフェースをデザインする際に、開発者がユーザビリティについての調査に時間をかけ、「タッチ操作がフレンドリーなものになっているかどうか」を評価できるようにすることで、多くのアプリはより素晴らしいものになる。この事実を直視してほしい。シミュレータを使ってiOSアプリの機能や性能を評価するのは構わないが、それだけでアプリのユーザビリティを評価することはできない。あなたのアプリをテストする際の最善のアプローチは、「人間」がヒューマンインターフェースを搭載した機器を使用し、アプリ内の対話的要素に対するタップやフリック、ピンチ、スクロール、ズームを行うというものとなる。

 また、タッチ領域をより大きくしたり、インターフェース自体の統一性を高めるために、アプリの流れを変更したり、そのデザインをやり直す必要が出てくる場合もしばしばあるだろう。その際には、1つの画面上に対話的要素を詰め込むのではなく、機能単位に複数の画面に分割できないかどうかを検討してほしい。長い目で見た場合、こういった作業によってメリットがもたらされるはずだ。ユーザビリティと利便性の間で適度なバランスを取ることが、ユーザーに受け入れてもらえるアプリを作成するうえでの秘訣である。また、大衆向けのiOSアプリを設計する際には、直感性と使いやすさという要素も忘れてはならない。

 2007年の初代iPhoneの発売によって、物理キーボードとマウスは時代遅れのものとなった。開発者にとってその時以来、ユーザーを虜にするアプリを開発するための機会は増え続けている。ユーザーはインターフェースの一部なのである。iOSアプリとユーザーを隔てているのは、たった1枚の薄い強化ガラスだけなのだ。そしてアプリのユーザーエクスペリエンスを貧弱なものではなく、iOSの持つ利点をフルに活用したものにするには、いくつかの簡潔なベストプラクティスを実践するだけでよいのである。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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