中国河南省鄭州にある複数のFoxconn工場の1つで現地時間10月5日、およそ3000人から4000人規模のストライキが発生したという。Appleの「iPhone 5」の製造品質に対する事細かな要求によるものと監視団体China Labor Watchが伝えた。
同団体は新たなニュースリリースにおいて、工場の生産ラインで品質管理を主に担当する従業員らが、Foxconnから作業品質を向上するよう求められ、もはや製造期限に間に合わせることができない状況に追い込まれたと伝えている。
労働者らによると、さまざまな工場施設においてiPhone 5の複数の生産ラインが丸1日、まひ状態に陥ったという。また伝えられているところでは、工場経営側とAppleが、同デバイスの設計上の問題であるにもかかわらず、労働者に対する厳しい品質要求を引き上げたという。そうした要求には、刻み目規格を0.02ミリにすることや、フレームや背面カバーの傷に関する要求も含まれていた。こうした要求を受けて、従業員は規格を満足するiPhoneを作ることさえできなくなり、このことが、従業員に過度な負担へとつながった。それに加えて、祝日に休暇を取ることも許されなかった。これらの要因が重なり合った結果、ストライキへと発展した。
FoxconnはApple向けの製品のほか、DellやHewlett-Packard(HP)といった他のテクノロジ企業の製品も製造している。同社の従業員数は110万人で、報じられているストライキは、同社工場の一部で発生し、製造に影響を及ぼすに至った従業員絡みの最新の出来事である。2012年9月には、警備員と労働者同士のいさかいが発端とされる2000人規模の暴動が発生している。このとき、問題の工場は閉鎖され、1日後に再開された。
今回報じられている品質上の要求については、9月下旬に発売されたAppleの最新型iPhoneを早い段階で購入した人々から、外観上の傷などの報告が広く寄せられたことから、そうしたことへの対応であった可能性がある。新型iPhoneの所有者は、箱から取り出したばかりの新品であるにもかかわらず、アルミニウムのアンテナベゼル上の傷や、場合によってはアンテナバンドの刻みがあるといった苦情を寄せている。マーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるPhil Schiller氏が顧客宛ての電子メールで、「どんなアルミ製品も、使用に伴うひっかき傷や欠けが生じ、本来の銀色が露出する場合があり」、それは「普通のことだ」と述べたとされているが、Appleはこの件を除き、同問題について沈黙を守っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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