Appleでハードウェアを統括していたBob Mansfield氏はいったん退職する計画を発表したにもかかわらず、なぜ同社にとどまることにしたのだろうか。
8月下旬に退職の撤回が明らかになった際、Appleは理由を明かさなかった。だが、新しい報道によると、同社の幹部らは、Mansfield氏の後任が職務を遂行する準備が整っていないと考えており、それに起因して上層部で内紛が生じたという。
Bloomberg Businessweekは、2011年10月5日に死亡した前最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏亡き後のAppleの1年を振り返る記事で、この状況をつづっている。記事によると、Appleの一部のシニアエンジニアらは、Dan Riccio氏がMansfield氏の後任として同社のハードウェア部門を統括すると知ったとき、現CEOのTim Cook氏に直訴したという。
状況に詳しい3人の人物によると、Mansfield氏のチームに所属する数人のシニアエンジニアらがCook氏に対し、後任のDan Riccio氏の直属となることに強い不満を表した。Riccio氏は重大な責務を担う準備が整っていないと、彼らは感じたという。これを受けてCook氏はMansfield氏に対し、1カ月あたり約200万ドル相当の現金と株式を含む法外な報酬を提案し、顧問としてAppleにとどまり、ハードウェアエンジニアリングチームの管理を支援するように依頼した。
Bloomberg Businessweekは今回の状況を、「反乱」に近い状態が起きていたとしている。
Appleは6月にMansfield氏の退職を発表し、Riccio氏への引き継ぎは数カ月で完了する予定だと述べた。Mansfield氏は1999年からAppleに勤務し、2010年からハードウェアを統括する職務に就いていた。Cook氏が2011年8月にCEOの職を引き継いで以来、Apple幹部が退職するのは同氏が初めてとなる予定だった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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