東芝がドイツ・ベルリンで開催された「IFA(国際コンシューマエレクトロニクス展)2012」で、84v型4Kテレビを発表した。2013年度上期(2013年4~9月)にも市場投入する考えを示している。
東芝は、2011年12月に世界初となる4Kテレビを商品化し、日本を皮切りに欧州、中国、新興国市場に展開してきた経緯がある。
東芝 執行役上席常務 デジタルプロダクツ&サービス社 副社長の徳光重則氏は「2013年のグローバル商品戦略の柱の一つとして、テレビのスマート化と4Kテレビの拡大強化を図る。とくに4Kテレビは、2013年度がまさに元年になると考えている」としており、IFA 2012でも4K市場における同社の先進的な取り組みを訴求した。
東芝では、2012年度にはわずか0.4%に留まる50v型液晶テレビ市場における4Kテレビの金額構成比が、2013年度には5%に拡大。さらに、その後は加速度的に広がりをみせ、2016年度には56%と過半数を突破するとみている。
「映画業界ではすでに4K化が進んでおり、また、ブルーレイで映画を再生するだけで、これまでのテレビとの画質の違いがわかっていただけるはず。リビングを映画館に変えることができる新たなテレビとして、積極的に展開していきたい」と意欲をみせる。
IFA 2012で発表した84v型4Kテレビは、東芝独自の新4K画質処理エンジン「レグザエンジンCEVO 4K(仮称)」を搭載。「テレビの基本性能は画質である。新たな4K超解像高画質化技術を搭載し、ブルーレイなどのハイビジョン映像を4K高精細映像に復元できる。4Kテレビの最高峰を目指す」と意気込む。
レグザエンジンCEVO 4Kは、現行のレグザエンジンCEVOをベースに、4K高画質化処理のために高画質処理クアッドコアCPUと、リアルタイム映像処理用デュアルコアCPUを搭載したSoCを開発。「ディスプレイをキャンバスとすれば、その上にアーティストとしていかにすばらしい絵を描くことができるのかといった部分を担うのが画像エンジン。レグザエンジンCEVO 4Kによって、4K微細テクスチャー復元や4K輝き復元、そして4K超解像処理技術により、4Kテレビにふさわしい画像処理が可能になる」とした。
また、東芝では4K出力対応のダイナブックを2013年度にも商品化することを発表。4Kの写真編集や4K画素のウェブブラウジングなどがより身近になるなどとしている。
東芝ブースでは、4K出力対応のダイナブックの試作品を展示して、4K出力での表示を行ったほか、PCを利用した4Kゲームのデモストレーションや、デジタル一眼レフカメラで撮影した4K画像の表示なども行っていた。
一方、東芝ではディスプレイをキーボード上にスライドさせることで、タブレットとして使用できるUltrabook「Satelite U920」や、21:9のディスプレイサイズを持つ「Satelite U840W」などを発表した。
Satelite U920tは、5本指でのタッチ操作が可能な12.5型のTru Brite Touch IPS HDディスプレイを採用。2012年第4四半期(10~12月)に欧州市場で発売する予定の製品だ。
日本では、Dynabook R800シリーズとして発売される見込みことになるという。
また、「Satelite U840W」は、世界初となる21:9のシアターサイズ14.4型のディスプレイを搭載。Harman/Kardonのスピーカシステムを搭載し、シアターサイズとこだわりのオーディオにより、映画コンテンツなどを楽しむのに適している。また、画面を分割すれば4:3の画面を2つ同時に表示できる。「映像を楽しむ提案を軸に新たな提案を行っていく。今後の評価をみて、タブレットなどを含めて、21:9という画面サイズのラインアップの広がりも検討していきたい」(東芝 デジタルプロダクツ&サービス社 営業統括責任者の檜山太郎氏)としている。
日本ではDynabook R500シリーズとして発売されることになる。
「Windows 8時代にはタッチ機能が重要な要素になる。その点において、東芝ならではの提案や、使い勝手の良さを追求していきたい」としている。
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